電動システムに加えて充電器の新製品が続々と第3回カーエレ展/第2回EV・HEV展(3/3 ページ)

» 2011年04月01日 00時00分 公開
[本誌編集部 取材班,Automotive Electronics]
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人体通信/熱電変換技術も

 最後に、EV/HEV関連以外で目を引いた展示を紹介する。


写真15人体通信技術を利用した自転車 写真15 人体通信技術を利用した自転車 人体通信技術を用いた後方カメラシステムを搭載している。
写真16熱電変換モジュールを用いたデモ 写真16 熱電変換モジュールを用いたデモ 左側のケース上部にある熱電変換モジュールで発電した電力を用い、右側のトンボの模型の羽を動かしている。
写真17翔栄の「ハイブリッドタッチパネル」 写真17 翔栄の「ハイブリッドタッチパネル」 入力インターフェースである操作部がタッチパネルとなっている。
写真18インフィニオンが提案するSSR 写真18 インフィニオンが提案するSSR 左側がSSRの内部構造で、右側がその上にかぶせるプラスチックケース。

 豊通エレクトロニクスは、自転車用の後方カメラシステムを展示した(写真15)。東京大学特任准教授の滝口清昭氏が研究している、準静電界方式による人体通信技術の応用事例である。同社は、「準静電界方式による人体通信を実用化する上で問題となるのが、安定した基準電位(アース)の確保だ。滝口氏は、仮想的に基準電位が得られるデバイス『スマートリファレンス』の開発も行っている。このスマートリファレンスを用いれば、自動車の車体を通信波の伝送路とする“車体通信”も可能になるので、自動車の後方カメラシステムへの応用も期待できる」としている。

 古河電子は、500℃以上の高温域における高い変換効率を特徴とする熱電変換モジュールを展示した(写真16)。同モジュールは、高温側が700℃、低温側が30℃の条件において、25W〜35Wの電力を出力することができる。同社は、「車載で用いるのであれば、エンジンやマフラーなどに組み込むのが最適だろう」と見ている。

 翔栄は、光学方式と抵抗膜方式を組み合わせたタッチパネル「ハイブリッドタッチパネル」の試作品を公開した(写真17)。車載情報機器の入力インターフェースなどの用途を想定している。ハイブリッドタッチパネルを用いた入力では、カーソルの移動は光学方式で行い、カーソル位置での決定は抵抗膜方式で行う。すなわち、指の動きは光学方式で検知し、画面が“押された”という行為は抵抗膜方式で検知する。

 インフィニオン テクノロジーズ ジャパンは、自動車のジャンクションボックスに用いられている機械式リレーを半導体リレーに置き換えるための新手法としてSSR(ソリッドステートリレー)に関する提案展示を行った(写真18)。このSSRは、機械式リレーと同じ挿入端子を備えたプラスチックケースの内部に、同社の半導体リレーを実装した小さな基板を組み込んだものである。

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