インテル Atomプロセッサ「E6xx」シリーズに関し、岡谷エレクトロニクスは「組込み向けIntel ATOMプロセッサ E600開発者セミナー」を開催
“組み込み向け”に考えられたSoCとして注目を集めるインテル Atomプロセッサ「E6xx」シリーズに関し、岡谷エレクトロニクスは2010年12月16日、「組込み向けIntel ATOMプロセッサ E600開発者セミナー」を開催した。
はじめに「インテル 組込み市場向け製品戦略」と題し、講演を行ったインテル 技術本部 シニアフィールドアプリケーションエンジニア 金崎 益巳氏は「2015年に、およそ150億台もの機器がクラウドにつながるようになるだろう」と説明。現在のPCを中心としたクラウド活用が、組み込みの世界にも広がっていくことをあらためて示し、「そこに大きなビジネスチャンスがある」(金崎氏)と強調した。
組み込み分野におけるインテルの展開について金崎氏は「通信インフラや産業、医療などの30以上のセグメント(3500社以上の顧客)で、30年を超える実績を持つ」とし、今後は、これまでマイコンやARM、MIPS、PowerPCなどの組み込み向けプロセッサが担ってきた「より要求の厳しい(低消費電力、低コスト、省スペース)組み込み分野へIAを展開していく」(金崎氏)という。その大きな役割を担うのがAtomプロセッサだ。
Atomプロセッサのソリューションは、大きく2つに分類される。1つは、“低コスト”が特長のAtom「N270」シリーズおよび、その後継の「N4xx」「D4xx」「D5xx」シリーズ。そして、“低消費電力”が特長のAtom「Z5xx」シリーズおよび、その後継の「E6xx」シリーズだ。Atomというと、一般的にネットブック向けのCPUとして認知されているが、特に最新の「E6xx」シリーズは、従来のネットブックや組み込みコンピュータ向けとは異なり、マイコンや組み込みCPUが担うような組み込み機器、本当の意味での組み込み市場(“True Embedded”)にリーチできる製品として開発されたものだという。
「E6xx」シリーズの最大の特長は、プロセッサとチップセットとの接続に用いられるフロントサイドバスが「汎用バス(PCI Express)」に変更された点だ。「汎用バスの採用により柔軟なI/Oを実現し、さまざまなニーズに対応できる」(金崎氏)という。標準チップセットとしてプラットフォームコントローラハブ「EG20T」がインテルから提供されるが、PCI Expressを採用したことでユーザーが保有するASICやFPGAなどをAtomプロセッサに接続したり、サードパーティーのIOHを使用したりすることもできるため、「これまで以上に柔軟で最適なシステム提案が可能になる」(金崎氏)とのこと。
プロセッサとチップセット間のインターフェイスをFSBやDMIなどの従来の独自規格に基づくインターフェイスから、オープンなPCI Express規格に変更したことで、柔軟なI/O構成を実現するAtom「E6xxシリーズ」。
同セミナーでは、インテルが標準で提供するプラットフォームコントローラハブ EG20Tのほか、サードパーティー各社が提供する車載インフォテインメント(OKIセミコンダクタ、STマイクロエレクトロニクス)、IPメディアフォン(OKIセミコンダクタ)、コネクテッドサービスゲートウェイ(リアルテック・セミコンダクター)向けのIOHや、I/O拡張に最適なPCI Express I/F対応のアルテラのFPGAについても紹介された。
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