セミナーでは、今年リリースされたCoreとAtomの新製品の概要についても説明があった。
以下、その内容を紹介する。
Coreについては、3つのチップセット、18のプロセッサを提供する。
既存製品からチップ構成も変化。プロセッサ、ノースブリッジ、サウスブリッジ、LANの4構成から、新製品ではメモリコントローラとグラフィックスをチップセットからプロセッサ内部へ移動し、表示部、マネジメントエンジン、クロックバッファをチップセットに統合することで3構成になった。これにより「デザインの簡素化、省スペース化を実現できるようになった」(廣田氏)という。
また、ECC(Error Correcting Code)メモリのサポートも新製品の特徴として挙げられる。実は、デスクトップPC、ノートPCの市場でECCのニーズが減ったこともあり、この製品群の中ではしばらくECCをサポートしていなかったという。しかし、「日本のマーケットからの要望が強かった。特に金融系などのミッションクリティカルな業務システムなどでは必要とされる。そこで、今回の新製品でECCをサポートすることにした」と廣田氏。
ネットブックでの採用が一般的に知られるAtomだが、機能・性能強化とともに、産業向けシステム、プリンタ、サイネージ、組み込みボード、監視システムなど、さまざまな市場に広がりを見せつつある。
Atomの最大の特徴は低コスト、省スペース、低消費電力。一見、単一の製品のように思えるが、実は2種類の系統に分かれているという。
1つは、低コスト向けの「N270」から発展した「N4xx」「D4xx」「D5xx」シリーズ。主に、ネットブックなどに使用されている製品ラインアップだ。このN270系により、「例えば、Celeronよりも性能は要らないから、低コストで機器を作りたいといったニーズに対応できる」と廣田氏。
もう1つが、「Z5xx」から発展した「E6xx」シリーズ。こちらはPC系以外の機器向けのプロセッサで、例えば「携帯端末、FAコントローラなど、当社でいう“True Embedded”を構築する際に利用してもらいたい製品だ」(廣田氏)という。
注目のE6xxシリーズの最大の特徴は、プロセッサとチップセットとの接続に用いられるフロントサイドバスが汎用バス(PCI Express)に変更された点だ。汎用バスの採用により柔軟なI/Oを実現し、さまざまなニーズに対応させることができるという。インテルは標準チップセットとしてプラットフォームコントローラハブ「EG20T」を提供するが、「ユーザーが独自で持っているASICやFPGAなどをAtomプロセッサに接続したり、サードパーティのIOHを使用したりすることもできる。インテルのチップセットとしかI/Oを構成できなかった不便さが解消された」(廣田氏)。
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