データ共有が不十分という問題を解決するのがPDM(Product Data Management)システムです。PDMは設計/製造フェイズに特化し、エンジニアリング・データを一元的に管理し、コンカレントエンジニアリング(同時並行設計)環境を実現するためのシステムです。
ではPDMを用いた場合、何が実現できるのでしょうか? 本稿では、サイバネットシステムが開発したPDM「M-SeeC」を使って確認していきます。
システム上に登録した部品情報(データシート/購入仕様書/環境情報)をCADのインターフェイス上で確認することが可能です。そのため、複数のシステムやファイルを参照して行っていた部品選定をCAD上で行うことが可能となります。
図4のようにCADから出力されたBOMをダイレクトに取り込むことが可能なため、設計者の編集ミスを減らすことができます。
システム上でBOM構成を持つことが可能なため、異なるリビジョンとの差分を出力することが可能です。
ディスコン部品を含むBOMの検索が可能です。これにより生産中止品の対応を漏れなく必要なものだけ変更することが容易です。
回路図上に配置されているテキストコメントや部品型番などの情報から回路図面の検索が可能です。図面検索を効率的に行えます。
現在、回路設計者が抱えている課題の中には本来の回路設計業務以外の課題も多く存在しています。設計プロセスを見直し、新しい設計プロセスに沿ったシステムを導入することが業務効率化につながり、回路設計に十分な情報をスムーズに取得できることが品質向上につながることをご理解いただけたかと思います。
快適な回路設計環境が実現したところで、次回、プリント基板に欠かせない放射ノイズ(EMI)の対策について解説したいと思います。
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