その名前のとおり、測定する信号ごとにリードを個別に接続するプローブです(図11)。従来よく使われているプローブですが、最近の製品は1.5Gb/sの帯域を持ったものや、差動入力のものもあります。
あらかじめロジック・アナライザを接続することを考慮していない場合でも使用でき、非常に柔軟性の高い接続方法ですが、多チャンネルを測定する場合は取り扱いが煩雑になるというデメリットがあります。
リードとDUTの接続には、DUT側のヘッダピンに直接接続、クリップ(グラバ)を使用する、ダンピング抵抗内蔵リードをはんだ付けするなど、いろいろな方法(プローブ・アクセサリ)がありますが、アクセサリによりロジック・アナライザ入力の伝送帯域が大きく変化する(制限される)ことに注意が必要です。
あらかじめDUT側に搭載しておいたロジック・アナライザ用コネクタに接続するプローブです。シングルエンド入力のもの(例:Mictorコネクタ)、差動入力対応のもの(例:Samtecコネクタ)などがあります(図12)。
DUTの設計段階でスペースを確保してコネクタを組み込む必要がありますが、多チャンネルの信号を簡単確実に測定できるので、最も多く使用されているプローブです。Mictorコネクタの場合で600Mb/s程度まで、Samtecコネクタだと1.5Gb/sの入力データレートに対応可能です。最近のトレンドである数100Mb/sを超えるような高速信号においては、装着するコネクタがスタブになってしまうので、後述のコネクタレス・プローブが使用されることが多くなってきています。
コネクタを使用せず、DUT上に設置した信号パッドに物理的接触を行うプローブです。あらかじめDUT上にプローブ接続用の信号パッドを設けておく必要がありますが、物理的なコネクタをDUT上に装着する必要がないためDUT上の信号にもほとんど影響を与えず、多チャンネルの高速信号を確実に測定することが可能です(図13)。
入力データレートとしては、現在のロジック・アナライザの上限である2Gb/sを超える速度まで対応可能です。このコネクタレス・プローブは、優れた電気的特性を持っていて扱いも簡単なため、ロジック・アナライザの汎用測定用途以外にもPCI ExpressやSerial Rapid IOなどの汎用高速シリアルバスのプロトコル測定にも使用されています。
今回は最近のロジック・アナライザに搭載されているさまざまな解析機能と、ロジック・アナライザをどのように接続するのかというプローブについて説明しました。これらはロジック・アナライザを提供するメーカーごとに異なり、カスタムツールを作成することも可能なので、分からないことがあればメーカーのエンジニアに相談されることをお勧めします。
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