組み込みソフトウェア分野へ注力するEDAベンダのメンター・グラフィックス。同社組み込みソフトウェア事業部ディレクタのダニエル・マギリヴレイ氏に話を聞いた。
EDAベンダのメンター・グラフィックスは、主力の半導体向けEDAツール事業に加えて、組み込みソフトウェア分野への取り組みに力を入れている。今年後半には、Androidを中心とした組み込みLinuxにも注力していく方針を明らかにした。
同社組み込みソフトウェア事業部 ディレクタのダニエル・マギリヴレイ(Daniel McGillivray)氏に話を聞いた。
ソフトウェアの開発量は近年劇的に増加し、その勢いはさらに加速する傾向にある。そして低消費電力設計、性能やシステムコストの最適化が、組み込みソフトウェア業界の課題となっている。
マギリヴレイ氏は「組み込み業界の成長を見ると、EDA業界より高い市場成長率を見せている。メンターは、EDAベンダの中でも唯一、長年継続的に組み込みソフトを世界規模で提供している企業。われわれは今後もさらに組み込みソフトの市場に大きくコミットしていく」と語る。
同社は、市場のニーズに合わせて、過去、組み込み分野に向けてさまざまな取り組みを行ってきた。古くはデバッガ「Xray」やリアルタイムOS「VRTX」に始まり、同社の名を知らしめたリアルタイムOS「Nucleus」、JTAGプローブ「MAJIC」、組み込み製品のGUIを効率良く開発できるプラットフォーム「Inflexion」など、枚挙にいとまがない。
そんな同社が“次世代の組み込みイノベーションの波”として現在注力しているのが、「Linux」「マルチコア」「3D UI(ユーザーインターフェイス)」だ。
「この3つの有望な市場にわれわれは大いに期待している。過去20年の間に、組み込みテクノロジーは、素晴らしいユーザー体験をもたらした。中でも昨今の携帯電話は、3DタッチUI/簡便な情報アクセス/秀逸な接続性/セキュリティ/低消費電力など、組み込みシステムが必要とするテクノロジーの集大成となっている。そして今、その携帯電話のキーとなっているのがAndroidだ」(マギリヴレイ氏)。
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