花王は、ヒトが持つ約400種類の嗅覚受容体を、培養細胞の表面に安定して発現させることに成功した。これにより、匂い物質に対する受容体の反応を網羅的に解析できる技術「ScentVista 400」を確立した。
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ロート製薬とフツパーは「CEATEC 2025」において、ヘルスケアおよびバイオ分野における標的探索から処方/実験設定、実験ロボットの制御までを自律型AIエージェントが自動化する「リアラボAI」を公開する。ロート製薬では、医薬品の研究開発期間を1週間から1日に短縮できたという。
安藤照乃()
本連載第115回の中でHIPAAセキュリティ規則改正案を取り上げたが、第2次トランプ政権スタート後も、医療データ侵害インシデントに対する制裁は続いている。
笹原英司()
パナソニックは、小型で高濃度のファインバブル発生デバイスを開発した。髪のトリートメント浸透を助ける効果も検証され、美容用途への応用が期待される。
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テルモは、国内で初となる、留置針型のミッドラインカテーテルの販売を開始した。穿刺から挿入まで簡便に操作できる設計で、患者と医療従事者双方の負担軽減に寄与する。
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東京慈恵会医科大学は、蚊のウイルス感染の痕跡を検出する「vDNA-LAMP法」を確立した。得られた蚊の検体データからvDNA陽性地点を地図上に表示することで、感染リスク分布を可視化できる。
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理化学研究所は、新型コロナウイルスの感染侵入に必要なヒト酵素TMPRSS2を狙ったモノクローナル抗体を開発した。実験では、全ての変異株で感染を阻止できることが示された。
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伊藤園とツムラは、漢方製剤の製造で発生する生薬残渣を原料とした「生薬リサイクル紙」を共同開発した。生薬残渣を紙原料に混ぜることでパルプ使用量を削減でき、木材由来原料の節約につながる。
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中央大学は、医薬品の製造工程で錠剤をリアルタイムかつ非破壊で全数検査する基盤システムを開発した。薄膜カーボンナノチューブ光イメージャーを搬送ラインに実装し、リアルタイムで判別できる。
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理化学研究所は、ヒト毛周期の時系列的な1細胞遺伝子発現解析手法を開発し、毛周期に伴う皮膚組織再構築の分子および細胞メカニズムの一端を明らかにした。
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早稲田大学は、うつ病の前駆状態「サブスレッショルドうつ」における表情の特徴を明らかにした。抑うつ傾向を持つ若年層は、顔の表情が「豊か」「自然」「親しみやすい」を感じられにくい傾向にあることが分かった。
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オリンパスの新CTOであるサヤード・ナヴィード氏が「OLYSENSE」「エンドルミナルロボティクス」「シングルユース内視鏡(SUE)」の3領域を重点プロジェクトとする中長期の技術戦略について説明。今後3〜5年で、これら3領域の新製品を市場投入していく方針である。
朴尚洙()
立教大学は、回転ワイヤを利用して量子ビーム断面を可視化する「二軸回転ワイヤ走査法」を開発した。1本の細いワイヤを回転させながらビームをスキャンし、得られた1次元データを再構成アルゴリズムで2次元画像化する。
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パナソニック くらしアプライアンス社は、毛髪のキューティクルを定量的に評価できる診断システムを開発した。独自のナノ触覚センサーを搭載し、毛髪を前処理せずに5分で計測できる。
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順天堂大学は、蚊の唾液に含まれるTLR2リガンドが、デングウイルスや日本脳炎ウイルスなどの蚊媒介性フラビウイルスの感染を増強することを明らかにした。感染部位にTLR2阻害剤を投与することで、フラビウイルスの病原性が著しく低下する。
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慶應義塾大学は、転移性尿路上皮がんの免疫チェックポイント阻害薬耐性の仕組みを解明した。がん細胞に繰り返し生じる遺伝子変異が多種の悪性サブクローンを生み、治療で克服しにくい免疫抑制環境を形成することが分かった。
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オリンパスの上部消化管ビデオスコープ「GIF-EZ1500-C」が、江蘇省薬品監督管理局の医療機器登録証を取得した。同社の中国現地生産製品がMPAの認可を取得するのは初となる。
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東京大学らは、医用画像データの利活用を支援する「株式会社イヨウガゾウラボ」を設立した。AI学習用の医用画像を安全に流通するために、収集から匿名化、教師データ化まで一貫で提供する。
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本連載第116回で欧州保健データスペース(EHDS)を取り上げたが、2025年8月2日に汎用目的人工知能(GPAI)に関わるAI法のルールが適用開始となった欧州では、量子技術との融合に向けたアクションが本格化している。
笹原英司()