日本の製造業が集結した「CeBIT 2017」ジャパン・パビリオン見聞記:CeBIT 2017(1/3 ページ)
ドイツ・ハノーバーで開催された「CeBIT 2017」のジャパン・パビリオンには総計118社もの日本の企業/団体が出展した。その多くを、IoT(モノのインターネット)の活用を目指す製造業が占めていた。本稿では、CeBIT 2017のジャパン・パビリオンの様子や(記者が)気になった展示を紹介する。
ドイツ・ハノーバーで開催された国際情報通信技術「CeBIT 2017」(開催期間:2017年3月20〜24日)。今回はパートナー国が日本であり、ジャパン・パビリオンには総計118社もの日本の企業/団体が出展した。その多くを、IoT(モノのインターネット)の活用を目指す製造業が占めていた。
本稿では、CeBIT 2017のジャパン・パビリオンの様子や(記者が)気になった展示を写真とともに紹介していく。なお、個別の展示レポートについては以下を参照していただきたい。
- 日本の有機ELここにあり、JOLEDが試作パネルを一挙展示
- ロボットアームの故障予知技術をソフトウェアパッケージに、ISIDが開発中
- コニカミノルタがサーバ付き複合機の投入で「コト売り」を加速する
- ミニカーの注文から完成まで12秒、安川が次世代工場の実力をアピール
- 光ファイバーの融着接続機をIoT化、業界初の「SumiCloud」
- サムズアップでドリンクゲット! 富士電機の最新自販機はインタラクティブ
- 日立が現場作業を可視化/解析、ダイセルやドイツAI研究センターなどと共同開発
- 「TensorFlow」でから揚げ配膳ときゅうりの仕分けを自動化、Googleがアピール
- ボルト締結作業のトレーサビリティーをRFIDで確保、KTCが「デジラチェ」で実現
- デンソーの「エナジーフローセンサー」、ロボットの動きを高精細に検知
- 工場の生産ラインを手軽にVR体験、B-EN-Gが「Oculus」と「Kinect」で実現
- CerevoがSAPとタッグ、自転車用スマートセンサーがB2Bソリューションに
- 船舶構造体の溶接線を自動で導き出す、神戸製鋼所の「3D CAD-link Welding」
- 「世界で唯一のビジネスモデル」、セーレンが衣料品でマスカスタマイゼーション
- 世界一の実力を動画でも証明、NECが顔認証技術をアピール
- “オールドタウン”化するニュータウン、高齢者の移動の自由を「Ha:mo」が支援
2カ所に分かれていたジャパン・パビリオン
CeBIT 2017が開催された、ハノーバー国際見本市会場は世界最大級といわれる展示会場だ。ジャパン・パビリオンは、ホール4の「Life/Office/Society」「Element」、ホール12の「Infrastructure/Factory」という3つのゾーンから構成されている。ちなみにホール4とホール12の間は、徒歩で10分以上の距離がある。
それでは、ここからはホール12のInfrastructure/Factoryゾーンの展示を紹介しよう。川崎重工業ブースで注目を集めていたのは、コミュニケーションロボット「Pepper」と双腕スカラロボット「duAro」のコラボレーションデモだ。
デモは、Pepperが来場者が持っている「iPhone」の種類を聞いて、duAroがiPhoneの液晶保護フィルムを貼り付けるという内容。Pepperがマンマシンインタフェースとなり、duAroはPepperから送信されたデジタルデータを基に作業を行うというコンセプトだ。2017年2月の「Pepper World」で初公開したが、ハノーバーでも液晶保護フィルムを使い切るほどの大人気だった。
ジャパン・パビリオンには工作機械メーカーも多数出展していたが、大型の実働展示を展開したのがアマダホールディングスだ。ロボットによる全自動金属曲げ加工システム「EG-6013AR」を使って、同社のスマートファクトリーコンセプト「V-factory」を大いにアピールした。「V-factoryのVは、Visualization、Value、Victoryという3つの意味がある」(同社の説明員)という。
オークマは、工作機械の実機は展示したかったものの、インターネットを通じて欧州拠点のショールームの工作機械を制御するデモンストレーションを行った。2000年代以降の産業用PCで制御する工作機械であれば、インターネットを通じた制御を行える。
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