工場の生産ラインを手軽にVR体験、B-EN-Gが「Oculus」と「Kinect」で実現:CeBIT 2017
東洋ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)は、「CeBIT 2017」において、工場の生産ラインを手軽にVR体験できるシステムを参考出展した。2017年秋の発売を計画している。
東洋ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)は、国際情報通信技術見本市「CeBIT 2017」(2017年3月20〜24日、ドイツ・ハノーバー)において、工場の生産ラインを手軽にVR(仮想現実)で体験できるシステムを参考出展した。2017年秋の発売を計画している。
同システムのハードウェアは、PC、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)型VRシステムの「Oculus Rift」とマイクロソフトのモーションセンサー「Kinect」で構成されている。Oculus Riftによって、3D CADなどで設計した生産ラインの状態を体験できるとともに、Kinectで検知したOculus Riftの装着者の動きをVR上の生産ラインに反映することもできる。展示デモでは、生産ラインから送り出されてくる箱を持ち上げて、ラインの横に置くという作業を体験できた。
Kinectで検知した人の動きを3Dデータに反映する技術は、既にB-EN-Gが販売している「mcframe MOTION」というソフトウェアを基にしている。使用できる3Dデータの形式は、現在はSTLのみとなっているが、正式発売までに軽量ビュワーで広く知られるラティス・テクノロジーのXVLにも対応する予定だ。
「3Dデータを使ってVR体験するためのシステムやサービスは、高価だったり、準備に手間がかかったりすることが多い。現在開発中のシステムは、安価で手軽に導入できることを特徴としている。VRは使ってみないとその良さが分からないので、その第一歩目として利用してもらえれば」(同社の説明員)という。
関連記事
- 3D CADで作った3Dデータを生かし切るVRとARの進化
AI(人工知能)と同じく2016年にブームを迎えたVR(仮想現実)。2017年以降、このVRが、製造業や建設業の設計開発プロセスに大きな変化を与えそうだ。AR(拡張現実)についても、「デジタルツイン」をキーワードに3D CADで作成した3Dデータの活用が進む可能性が高い。 - 製造業や建築業向けの“プロフェッショナルVR”、NVIDIAイベントで各社がデモ
VR(仮想現実)を製造業や建築業向けに応用する“プロフェッショナルVR”のイベント「NVIDIA Pro VR Day 2017」の展示コーナーでは、各社がVR体験デモンストレーションを実施した。 - 設計や製造でVRを使いこなせ、オートデスクが4種の体験型デモでアピール
Autodesk(オートデスク)は、ユーザーイベント「Autodesk University 2016」の展示会場で、製品設計や製造プロセスといったエンジニアリングにVR(仮想現実)を生かすための体験型デモンストレーションを実施した。 - 「VR=仮想現実感」は誤訳!? VRの定義、「製造業VR」の現状と課題
製造業VR開発最前線 前編では、VRやAR、MRの概要、製造業向けVRの他の分野のVRとは異なる特徴、これまでの状況などを説明する。 - NECのVR体験キットは梱包作業がリズムゲームに、2週間で5万円から
NECは、法人向けのVR(仮想現実)技術の活用ソリューションを体系化した「法人VRソリューション」と、その評価パッケージとなる「VRお試しパック」の提供を始める。VRお試しパックの価格は、機材レンタルの費用が2週間で5万円から。梱包ライン作業の技能伝承や危険作業体験のVRコンテンツも無償で貸し出す。 - VR空間での“ワイガヤ”設計レビューが合理化で失われた設計情報の共有を可能に
サイバネットシステムは、VR(仮想現実)を用いた設計レビュー支援システム「バーチャルデザインレビュー」の販売を開始した。3D CADツールやCAEツールの導入/普及に合わせて進んだ合理化によって失われた、設計業務におけるノウハウやちょっとしたコツなどの情報共有を可能にする「ワイガヤ設計レビュー」をコンセプトに開発された。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.