日本の有機ELここにあり、JOLEDが試作パネルを一挙展示:CeBIT 2017
JOLEDは、「CeBIT 2017」において、2017年に試作した21.6インチで4K表示が可能な有機ELディスプレイパネルを展示した。同社が得意とするRGB印刷方式を用いている。
JOLEDは、国際情報通信技術見本市「CeBIT 2017」(2017年3月20〜24日、ドイツ・ハノーバー)において、2017年に試作した21.6インチで4K表示が可能な有機ELディスプレイパネルを展示した。同社が得意とするRGB印刷方式を用いて試作したものだ。
JOLEDは、有機ELディスプレイパネルの量産開発の加速と早期事業化を目的に、ソニーとパナソニックの有機ELディスプレイ開発部門を統合して2015年1月に発足した。その社名の通り日本の有機ELディスプレイ技術を結集した企業として知られている。ただし、これまでJOLEDが展示会などに参加することはまれで、その開発成果を一般公開する機会はほぼなかった。今回のCeBIT 2017では、さまざまな用途に向けた有機ELディスプレイパネルの試作品を多数展示した。
同社は中小型パネルを主力事業としていく方針だが、展示した21.6インチパネルはその中で最も大きいクラスの製品となる。解像度は3840RGB×2160で、画素密度は204ppi、色域は130%(sRGBu'V')。重量は500gである。用途として挙げたのは、高コントラストが求められる医療画像表示や個人利用スクリーンである。
この21.6インチパネルの基礎になったのは、2016年に試作した19.3インチで4K表示が可能なパネルである。画素密度は229ppiで、重量は400gとなっている。
これらの他、カーナビゲーションシステムやタブレット端末向けを想定する12.2インチでフルHD表示が可能なパネル、表示面を曲げられるフレキシブルフルHDパネル、0.1ミリ秒以下という高い応答性を示すゲーミング用途を意識したフルHDパネルを展示した。
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