CerevoがSAPとタッグ、自転車用スマートセンサーがB2Bソリューションに:CeBIT 2017
Cerevoは、「CeBIT 2017」において、スマートフォンを活用する自転車用スマートセンサー「RIDE-1」と、SAPのクラウドプラットフォーム「SAP HANA」を連携させるスマートサイクルソリューションを披露した。2017年4〜6月期をめどに、日本国内で実証実験を実施する予定だ。
Cerevoは、国際情報通信技術見本市「CeBIT 2017」(2017年3月20〜24日、ドイツ・ハノーバー)において、スマートフォンを活用する自転車用スマートセンサー「RIDE-1」と、SAPのクラウドプラットフォーム「SAP HANA」を連携させるスマートサイクルソリューションを披露した。2017年4〜6月期をめどに、日本国内で実証実験を実施する予定だ。
Cerevoは、2015年に発表したスノーボード向けバインディング「SNOW-1」を皮切りに、スマートスポーツのブランド「XON」の展開を強化している。RIDE-1もXONのラインアップの1つになる(関連記事:つながる価値をスポーツへ、家電のCerevoが挑む新ジャンルのモノづくり)。
RIDE-1は、9軸センサーや温度センサー、気圧センサー、照度センサー、GPSといったセンサー、ANT+やBluetooth、Wi-Fiなどの多彩な通信機能を搭載している。従来のサイクルコンピュータは、自転車に取り付けて走行データを記録するだけのものが多いが、RIDE-1は、通信機能を使ってスマートフォンやクラウドと連携するので、走行データをリアルタイムに共有、分析できるという。また、走行データや分析結果をリアルタイムにスマートフォンに表示するサイクルコンピュータとしての利用も視野に入っている。
一方、SAP HANAと連携するスマートサイクルソリューションでは、主に企業やグループでの自転車利用者にとって利便性の高いさまざまな自転車走行データを計測し、その膨大な量のデータをSAP HANAを介して、スマートフォンアプリで視覚化してリアルタイムに活用できる。
2000年以降、英国を中心に欧州では、環境改善と健康促進を目的に自転車通勤を奨励する制度が普及している。最近になって、日本国内でも自転車通勤を支援する取り組みが進みつつある。今回発表したスマートサイクルソリューションは、このトレンドを見据えて開発したもので、「企業が推奨する従業員の自転車通勤について、安全管理や健康増進、自動車から自転車への置き換えによるCO2削減の計測などに利用できる」(Cerevo シニアバイスプレジデント セールス&マーケティング担当の美谷広海氏)という。
また、個人のサイクリスト向けであるB2C製品のRIDE-1を、SAP HANAと連携することでB2Bソリューションに仕立て上げたことも注目すべきポイントになる。美谷氏は「当社の製品は基本的にB2C向けであり、RIDE-1単体をアピールするのであれば、CeBITではなく、家電の国際展示会である『IFA』や自転車の展示会が最適だ。しかし、RIDE-1のようなIoTデバイスは売り方を変えていかなければならないとも感じている。SAPとのスマートサイクルソリューションの共同開発とCeBITでの展示をきっかけに、新たな商機を得られれば」と述べている。
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