ロボットアームの故障予知技術をソフトウェアパッケージに、ISIDが開発中:CeBIT 2017
電通国際情報サービス(ISID)は、産業用ロボットアームの故障を予知する「産業用ロボットアーム モーター故障予兆ソリューション」をソフトウェアパッケージ化して提供する方針を固めた。2017年7月の発売に向けて開発を鋭意進めている。
電通国際情報サービス(ISID)は、産業用ロボットアームの故障を予知する「産業用ロボットアーム モーター故障予兆ソリューション」をソフトウェアパッケージ化して提供する方針を固めた。2017年7月の発売に向けて開発を鋭意進めている。
ISIDは、さまざまな製品/装置などの故障予兆分析の技術を持つ、米国ベンチャーのPredictronics(プレディクトロニクス)と提携している。産業用ロボットアーム モーター故障予兆ソリューションは、顧客へのコンサルティングを基に、プレディクトロニクスの解析エンジンと顧客ごとのカスタマイズに必要なプログラムを組み合わせて提供している。
国際情報通信技術見本市「CeBIT 2017」(2017年3月20〜24日、ドイツ・ハノーバー)でも、ミニチュアの6軸ロボットを用いた故障予知のデモを披露した。
しかし「現在のコンサルティングベースの展開では全ての顧客に対応できなくなっている。また、カスタマイズのプログラムを使いこなすのには一定レベルのソフトウェアプログラミングの知識が必要だが、顧客によってはそういった技術者を用意できない場合もある」(ISID 営業推進本部 インダストリアル・ビッグデータ推進本部 アソシエイトマネージャーの荻野博裕樹氏)という。
これらの課題を解決するため、グラフィカルなユーザーインタフェースを使って、プロセスをステップごとに進めて幾つかのパラメータ調整を行うだけで済むようなソフトウェアパッケージを開発することとした。
また、産業用ロボットアーム モーター故障予兆ソリューションは、GEの「PREDIX」や、マイクロソフトの「Azure」といったクラウドプラットフォーム上に構築して提供できることも特徴の1つになっている。今後は、2017年夏ごろに向けて、シーメンスの「MindSphere」などを含めてマルチプラットフォーム対応を進めていくとしている。
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