成長に向けた施策として、板金事業では屋外に設置できる堅牢(けんろう)な筐体を開発/製造できる技術や数m規模の大きい筐体を生産できるという強みを生かし差別化を図っていく。
電源事業では従来の顧客の仕様通りに設計/開発する形態から、自社でR&Dを実施しながら新しい電源を開発し、提案活動を行う事業形態へシフトしようとしている。富澤氏は「新技術で再生可能エネルギーやEV(電気自動車)といった世界に入っていきたい。さらに、SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)などのパワー半導体を活用してわれわれの電源に使える技術を開発し、顧客に提供していきたい。これらの施策を実現するために、スペースの効率化や自動化による生産能力の向上、人材育成を進める」と語る。
OKIシンフォテックは2031年度の売上高目標の達成を目指して、電源事業と板金事業ごとに生産技術開発ロードマップを策定し、自動化や省人化、IT化に取り組んでいる。現在は電源事業で検査の自動化を実施しており、板金事業では曲げ加工を実施する機械の金型を自動で交換可能にする設備などを新たに導入し、従業員の負担を減らしている。「2026年〜2031年までは毎年2億〜3億円ぐらいをコンスタントに投資し、6年間で約15億円の投資を計画している」と強調する。
さらに、日本政府が成長戦略として掲げている17分野のうち、「AI/半導体」「防衛産業」「空/宇宙」「造船」「資源/エネルギー安全保障/GX」「フードテック」「防災/国土強靭化」の側面で、同社の強みである筐体や電源技術、新技術を提供/提案して事業成長を推し進める方針だ。
OKIシンフォテックは、従来の単品売りの事業から一貫製造事業へ転換するために組織改革にも取り組んでいる。同社は2025年度に品質/技術/調達力の強化を図るために、品質保証部と生産技術部、調達部をそれぞれ設置した。富澤氏は「昔は生産部と調達部が、品質保証部と生産技術部がそれぞれ一緒になっていた。この部分をしっかりと分けることで役割と責任を明確化し、新規事業に対応するために体制を整えた」と説明する。
OKIシンフォテックは地元雇用に積極的に関わり、小学生を対象とした工場見学会を毎年実施するなど地域貢献にも力を入れている。富澤氏は「福島市の中で売上高100億円を超える企業は少数である。そのため、この仲間に入ることで働いている従業員やその家族が誇り/やりがいを感じることができる。採用と企業の知名度という切り口で、喜びを感じてもらいたいと思い、2031年度の売り上げ目標を100億円以上に設定している」と述べた。
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