続けて黒川氏は3つの原動力のうち「共に築く」「世界へ届ける」に関わるBluetooth SIGの活動内容を紹介した。
「共に築く」では、Bluetooth SIGのメンバー企業数が4万3000社以上であり、2000人以上のグループ/委員会メンバーが23のワーキンググル−プで標準化に携わっていることを紹介した。直近3年間の活動から98の仕様が採択されているという。
「世界へ届ける」では、Bluetoothにおける直近の機能強化について説明した。まずは、1対1での接続を基本としてきたBluetoothに対して、送信機から複数の受信機にオーディオをブロードキャストするAuracastの実用化が挙げられる。
スマートビルにおける照明や空調システム、小売店の電子棚札などを制御するデバイスネットワーキングでもBluetoothの採用が広がっている。チャネルサウンディングと呼ぶ高精度測距の技術は、スマートフォンを使って自動車の起動やドア開閉を行うデジタルキーに適用されている。さらに、キーボードやマウスなどのHID(Human Interface Device)のBluetoothによる接続を有線並みの低遅延にする仕様も盛り込まれた。
さらに2026年11月には、HDT(High Data Throughput)と呼ぶ、従来は最高で2Mbpsだった伝送速度を7.5M〜8Mbpsに高められる新規格をリリースする予定だ。併せて、Bluetooth Low Energy(BLE)でIPv6パケットを伝送するIP Linkもリリースされる。
2027年に向けては、HDTの技術を基にハイレゾロスレスオーディオの規格が策定中である。また、Wi-Fiと同様にBluetoothの周波数帯域を2.4GHzから5GHzおよび6GHzに広げる、高周波数帯への拡張も行われる。
「地域に根差す」との関連では、Bluetooth SIG Japanを核に日本での活動を強化していく方針が示された。黒川氏は「Bluetooth SIGにおいてアジア太平洋は最もメンバー企業数が多く、年間認証件数に至っては56%を占める。そして、米国と中国に次いでメンバー企業数と年間認証件数で第3位の日本の活動をより強化しなければならないと考え、今回Bluetooth SIG Japanを設立した」と強調する。
そのBluetooth SIG Japanが中核となって立ち上げたBluetooth JMGによって、日本でのコミュニティー活動へのハードルを下げたい考えだ。「言語の壁は日本のメンバーにとって課題になっているため、ワーキンググループへの参加が不足し、各種仕様に日本市場の意見が十分に反映されていない。中国も同様の課題を抱えていたが、2025年にメンバーグループを立ち上げている。日本でもBluetooth JMGによってメンバー間でさらなるコミュニケーションと連携を図り、Bluetoothの開発ロードマップに日本市場のニーズを反映できるようにしていきたい」(黒川氏)。
また、Bluetoothの高周波数帯への拡張では、規制当局である総務省との調整が必要になるが、そこでもBluetooth JMGの活動が重要になってくる。黒川氏は「日本では5GHz帯の利用は難しいが、6GHz帯での利用を提案することになるだろう」と述べる。
この他、Bluetooth SIGがグローバルで四半期に1回開催している交流イベント「Bluetooth Summit」を2027年3月に京都で開催する計画も明らかにされた。
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