ニデックが会見、期限内に監査意見得られず 永守氏ら元役員9人提訴へ:製造マネジメントニュース

ニデックは記者会見を開き、過去に発覚した不適切な会計処理や、同社グループの生産/開発拠点で確認された品質不正の疑いを受け、再生に向けての取り組み状況を説明した。

» 2026年10月28日 20時00分 公開
[安藤照乃,MONOist]

 ニデックは2026年10月28日、東京都内とオンラインで記者会見を開き、過去に発覚した不適切な会計処理や、同社グループの生産/開発拠点で確認された品質不正の疑いを受け、再生に向けての取り組み状況を説明した。

記者会見に登壇した、ニデックの(左から)執行役員 最高財務責任者代行の中川一夫氏、社外取締役 常勤監査等委員の吉井浩氏、代表取締役常務執行役員 最高コンプライアンス責任者の南井正之氏、社長執行役員 最高経営責任者の戒田理夫氏 記者会見に登壇した、ニデックの(左から)執行役員 最高財務責任者代行の中川一夫氏、社外取締役 常勤監査等委員の吉井浩氏、代表取締役常務執行役員 最高コンプライアンス責任者の南井正之氏、社長執行役員 最高経営責任者の戒田理夫氏

 同社は、2025年10月28日に受けた東京証券取引所(東証)による特別注意銘柄への指定から1年が経過する2026年10月28日までに、適正意見の付いた訂正報告書や訂正後の決算短信を提出することを目指していた。しかし、現在までに2026年3月期の有価証券報告書について、監査法人であるPwC Japan監査法人からは意見不表明(適正意見を得られない)となっている。10月19日に同社の監査人から追加要請された、経営者確認書の署名候補者252人に対する電子メールのスクリーニングなどの確認作業が現在も続いているためだ。

 上場維持の審査に必要な「内部管理体制確認書」については、10月30日に東証へ提出するとしている。ただ、監査法人の適正意見が付いた有価証券報告書がないまま審査を依頼することとなる。東証が提出された報告書を基に審査を行い、内部管理体制などが改善されていないと判断した場合は、原則として上場廃止となる。ニデック側の追加対応は11月中に完了する予定だが、最終的な監査完了時期や今後の決算開示スケジュールは未定となっている。

 監査対応が難航する一方、同社は前日の10月27日に、役員責任調査委員会の報告を受け、創業者である永守重信氏をはじめとする元役員9人に対する損害賠償請求訴訟の提起を決議し、発表している。調査報告書によると、2025年8月から2026年8月の間に同社に生じた損害額は、調査費用や上場違約金など約276億円に上るという。

 会見に登壇したニデック 社長執行役員 最高経営責任者(CEO)の戒田理夫氏は、元役員らへの提訴について「非常に重たい結果が出たと思っている。しかし、会社はやはり法の下での人格を保つ必要があるため、法に従い、われわれは決議されたものを粛々と実行していく」と述べた。

 また、社会からの信頼を回復するために企業風土の抜本的な改革をより一層推進していくとした上で、「当たり前のことを当たり前にする。会社は社会の公器であり、品質管理やガバナンスの強化、コンプライアンスの順守は当然のことだ。人づくり、モノづくりの原点にいま一度立ち戻り、ニデックが本来持っている技術で社会の発展に貢献できる企業に戻すために全力を注いでまいりたい」と語った。

 なお、意見不表明の根拠となった事項や、今後のガバナンス改革の具体像、戒田氏が語った永守氏への思いなどについては、10月29日に公開する記事で詳報する。

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