パナソニック エナジーはAI時代における今後の電池の役割について、AIデータセンターをはじめとする「Cloud領域」をベースに、EV向けなどの「長持ち/安心」を軸にした電池と、ロボティクス向けなどの「止めない」を軸にした電池が必要になると予測している。
例えば、ヒューマノイドにおいては、電池を設置できる場所がかなり限定されてしまい、軽量で安全性と高出力を兼ね備えた電池が必要となる。この部分に対して、渡邊氏は「われわれの円筒形電池セルとヒューマノイドの親和性は高いと認識しており、ビジネスとして決まってはいないが、電池を活用できるソリューション領域としてしっかりと見定めて取り組んでいきたい」と語る。
このような技術展望を含めて、パナソニック エナジーは不可逆的に進行する新たなアプリケーションシフトに対して、利便性と環境を両立させるために電池/電源システムが重要な役割を占めると認識している。
また、データセンター向けの電力をどのように確保するのかも重要な問題となっている。北米の電源構成の変化を見ると、2010年では石炭が多くの割合を占めていたのに対し、2024年ではこの割合が減っており、天然ガスや再生可能エネルギーの割合が増えてきている。
渡邊氏は「データセンターを運営しているメイン企業はGAFAM(Google、Apple、Facebook(現Meta)、Amazon.com、Microsoft)であり、彼らは地球の炭素負荷を増やしたいという考えを持っていない。そのため、AIの需要がこれからも伸びていくことを考えた際に、再生可能エネルギーの割合を増やさなければならない。これを実現するため、ESSのような蓄電システムが増えていくことが予測される」と分析する。
また、北米の発電コストを比較してみても、石炭発電よりも太陽光発電が安くなるというデータも出ている。このことから、パナソニック エナジーは経済的観点を踏まえて再生可能エネルギーが蓄電池の活躍と共に増えていく社会の構築を目指す方針だ。
渡邊氏は「日本や米国では停滞しているが、バッテリーEVは脱炭素のソリューションとして最も洗練されていて、ソリューションとして与える経済的効果が高い技術だと確信している。また、不可逆的に進行する新たな電力問題に対しても、高出力電池と電源システムで電力の負荷変動緩和に貢献し、再生可能エネルギーとESSで未来の問題を解決したいと思っている」と展望を述べた。
講演の最後では、現在パナソニック エナジーが開発を進めている全固体電池に関するアップデート情報に関して説明した。現在は150℃の高温環境で使用可能な産業用小型セルの開発を進めている。コイン型と角型の2種類の開発を進めており、2026年度の第3四半期からサンプル出荷を予定している。
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