MONOist アドバンテックのEmbedded IoT事業では、NVIDIA、インテル、クアルコムなどさまざまな半導体メーカーの製品を用いた商品を展開していますが、足元ではどの製品に注力していきますか。
李氏 アドバンテックでは、シリコンパートナーうちどこか1社の製品を優先して注力するということはしていない。それぞれ価格や性能が異なり、得意としている分野が異なるからだ。
ヒューマノイドについて脳と反射神経のたとえ話をしたが、反射神経であればRockchipやNXP、クアルコムの一部の製品の製品が適していることが多い。一方で脳のシステムは、NVIDIAやインテル、クアルコムのハイエンド品のように高い処理性能や高機能のインタフェースを持つ製品でなければ対応できない。アドバンテックは、顧客が開発したいと考えているシステムに対して、垂直統合のアプローチで各シリコンパートナーの製品を提案するようにしている。
エッジAIについても、ファーエッジからニアエッジまで顧客の要件に合わせた製品が提供できる。もし優先するものがあるとすれば、どのシリコンパートナーかではなく、顧客ということになるだろう。
Chen氏 アドバンテックはグローバルな半導体エコシステムのリーダーであり、主要なインテグレーターとして自らを位置付けており、特定のシリコンパートナーやプラットフォームに限定して事業を展開することはない。
フィジカルAIの展開を加速する上では、PCで広く用いられているx86とArmの両方をカバーする“二刀流”の戦略を重視している。x86は、高い演算能力と成熟したソフトウェア互換性に強みがあってシステム統合も容易なので、設計アイデアを素早く実現できる。一方、Armは電力効率が高く、フォームファクタがコンパクトなどのメリットがある。
顧客が開発するシステムごとにそれぞれ優位性はあるものの、重要なのはわれわれが顧客のニーズに対して必要なものを提供できる体制を整備することだと考えている。
MONOist 日本の直方事業所についてお聞かせください。台湾、中国に次ぐ第3の製造拠点として、どのような役割を期待していますか。
Chen氏 アドバンテックにとって直方事業所は単なる工場ではない。台湾企業ではあるが、日本市場に深くコミットしていくため、同事業所の従業員とチームとして一体になって活動していきたいと考えている。その一環として、総額50億円を投資して2028年までに直方事業所を拡張する計画だ。これと併せて優秀な人材を採用して同事業所の活動を支えていく。
直方事業所では3つの方向性で事業を推進していく方針だ。1つ目は、製造にとどまらないフルスケールサービスの提供である。共同設計エンジニアリング、FAE(フィールドアプリケーションエンジニアリング)、プロトタイピング、修理機能を含めたリバースロジスティクスなどあらゆるサービスを提供したい。つまり、コンセプトから設計、製造、アフターサービスまで、全てを直方事業所でワンストップで完結できるということだ。
2つ目は、ハードウェアだけでなく本格的なAIソリューションまでを統合して提供できるようにすることだ。そのためには、日本市場のニーズ、日本人の考え方、本当に必要としているアプリケーションなどを理解する必要がある。幅広いエンジアリングの機能を提供する直方事業所では、顧客との共創を通して真に理解を深め、製品などに反映していきたいと考えている。もちろん台湾をはじめ世界中のアドバンテックから集めた知見も活用していく。
3つ目は、福岡県や直方市といった地域に根ざした信頼関係の構築を重視していることだ。アドバンテックは単なる外国企業ではなく、日本国内に拠点を置き、長期にわたって多額の投資を行ってきた日本に貢献する企業であることを実感してもらえるように努力していきたい。
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エッジAIに注力するアドバンテック、世界第3の生産拠点として直方事業所を拡張Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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