パナソニックが語るPXの神髄、Aras Innovator活用によるBOM統合とレガシー変革ACE 2026(1/2 ページ)

Arasは米国フロリダ州マイアミで同社のコミュニティーイベント「ARAS COMMUNITY EVENT 2026(ACE 2026)」を開催した。本稿では同イベントに登壇したパナソニック デジタル 開発設計ソリューション統括部 PLMソリューション第二部 部長の山本和之氏による基調講演内容の一部を紹介する。

» 2026年04月28日 06時00分 公開
[坪田澪樹MONOist]

 Arasは米国フロリダ州マイアミで同社のコミュニティーイベント「ARAS COMMUNITY EVENT 2026(ACE 2026)」(2026年4月13〜16日[現地時間])を開催した。本稿では同イベントに登壇したパナソニック デジタル 開発設計ソリューション統括部 PLMソリューション第二部 部長の山本和之氏の基調講演内容の一部を紹介する。

パナソニック デジタルの山本和之氏

 パナソニックグループは、DX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組み「PX(Panasonic Transformation)」を通じて、企業価値の向上を目指している。特にコングロマリット/ディスカウントからの脱却、コスト効率の向上、オペレーショナル/エクセレンスを追求している。

 山本氏は「組織変革における最大の障壁の1つは『レガシー』である。ビジネスプロセス、組織の複雑さ、企業文化、マインドセットといったさまざまな形でレガシーが存在している。これらをPXの取り組みを通じて変革しようとしている。真のPXを実現するためにはITだけではなく、オペレーティングモデルや組織文化も変革しなければならない」と語る。

パナソニックグループが企業価値を高めるために変えようとしていること[クリックして拡大] 出所:パナソニック デジタル

 基調講演では、照明器具や住宅用燃料電池、ガスメーターなどを製造/販売するパナソニック エレクトリックワークスにおける組織変革の取り組みを紹介した。同社では単一の情報源に基づいたデータの一元管理や業務効率化、部門を越えた連携の強化を目標に掲げている。この目標を達成するために同社はArasのクラウドPLM「Aras Innovator」とデジタルスレッドを活用しているという。

 同社ライティング事業部では、BOM(部品票)とアイテムコードを標準化することで、情報源の単一化を実現している。以前まではE-BOMとM-BOMの間で情報の断絶があり、データの不整合や製造拠点間でのズレを生み出していた。ここに異なる部門間で複数のアイテムコードが存在しているという状態が組み合わさり、設計変更時のコミュニケーションミスや不具合要因の特定に時間を要していた。

BOMの情報断絶のイメージ[クリックして拡大] 出所:パナソニック デジタル

 これらの課題を解決するためにパナソニック エレクトリックワークスは、アイテムマスターとコーディング構造を再設計し、一意のアイテムコードを作成した。また、E-BOMとM-BOMを統合し、単一の情報源を構築した。これらの取り組みにより、業務改善が進み、影響分析とBOM生成の自動化が可能になり、手戻りや労力の削減に成功した。

 山本氏は「例えば、M-BOM内の資材をE-BOMまでさかのぼって追跡できるようになった。この仕組みは、Aras InnovatorのプロダクトエンジニアリングとMPP(Manufacturing Process Planning)を使用して構築している。われわれのERPシステムとも統合できるように設計し、ERP固有の属性はAras InnovatorのM-partのカスタマイズを通じて開発している」と述べる。

E-BOMとM-BOMの連携イメージ[クリックして拡大] 出所:パナソニック デジタル
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