NECは、独自技術を用いて調達業務の納期や数量交渉を自動化する「調達交渉AIエージェントサービス」の提供を開始する。取引先との交渉プロセスを自動化することで、調整時間を短縮し、需要変動に迅速に対応できる。
NECは2025年12月2日、製造業の調達交渉を自動化する「調達交渉AIエージェントサービス」の提供を同月より開始すると発表した。取引先との交渉プロセスを自動化することで、調整にかかる時間を短縮し、需要変動に対する迅速な対応を支援する。価格は年間3600万円からで(初期費用別)、今後5年間で100社への提供を目標とする。
本サービスは、独自の自動交渉AI(人工知能)を用いて、部品や原材料の納期や数量調整をAIが自律的に交渉し、最適な条件を導き出すものだ。人手では対応しきれない多数の品目についても調整を行えるため、過剰在庫や欠品の抑制、納期遅延の回避を狙う。
サービスでは、在庫状況に応じて調整が必要なオーダーを自動検出し、AIエージェントが取引先とインタラクティブに交渉を進める。これにより調達担当者は、戦略立案やリスク管理などの業務に時間を割けるようになる。ERPなど既存システムとの連携にも対応し、導入負担を抑えた運用が可能だ。
2024年にNECグループ会社を対象に実施した実証では、約1300品目を対象とした交渉のうち、自動合意達成率が95%に達した。交渉開始から合意までの調整時間は、従来の数時間から数日かかっていたものが約80秒に短縮された。
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