伊藤園とツムラは、漢方製剤の製造で発生する生薬残渣を原料とした「生薬リサイクル紙」を共同開発した。生薬残渣を紙原料に混ぜることでパルプ使用量を削減でき、木材由来原料の節約につながる。
伊藤園は2025年9月9日、ツムラと共同で、漢方製剤の製造過程で生じる生薬残渣を原料とした「生薬リサイクル紙」を開発したと発表した。伊藤園の「茶殻リサイクルシステム」を応用した技術で、ツムラのサーキュラーエコノミー推進に向けた取り組みの一歩となる。
生薬リサイクル紙は、独特の質感や色合いを持ち、和紙に近い風合いとなる。さまざまな生薬残渣を利用することから、製紙時期で風合いが異なる。生薬残渣を紙原料に混ぜることでパルプ使用量を削減でき、木材由来原料の節約につながる。
両社は2022年度から異業種連携を進め、伊藤園の茶殻リサイクルシステムを応用して生薬リサイクル紙を開発に至った。伊藤園は年間約5万9000トンの茶殻を有効利用し、これまでに約100種類のアップサイクル製品を生み出している。ツムラは年間約3万8000トンの生薬残渣を排出しており、これを堆肥化やバイオマス燃料化などで100%リサイクルしてきた。
生薬リサイクル紙は、2025年4月からツムラの従業員名刺に採用され、同年9月には封筒の制作も始まる。封筒は異なる色や材質の3種類を開発中で、最適な候補を選定している。今後は生薬リサイクル紙の製品をはじめとするアップサイクル製品に「ZanCycle(残サイクル)」マークを使用し、さまざまな取り組みに活用するとしている。
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