ここからは実際のロボット制御について解説する。
まず、本検証におけるハードウェア構成を解説する。図1は検証における全体の構成図である。それぞれの機器について役割を解説していく。
検証においてローカル環境で起動するLlamaのモデルを使用したため、GPU搭載ワークステーションにRAI、LLMを導入し、実行する役割を持っている。
アームロボットを制御するために2台のPCを使用した。
Ubuntu PCはアームロボットをROS 2で制御するためのもので、RAIから送られてきたロボット制御通信を受け取り、ROS 2のアームロボットのパスプランニングライブラリ「MoveIt2」で制御を行う。
Windows PCにはアームロボット用のティーチングペンダントソフトが搭載されている。Ubuntu PCとアームロボットが通信を行うには、ティーチングペンダント側から設定が必要なため、接続を行っている。
アームロボットには、デンソーウェーブ製の産業用ロボット「COBOTTA」を、カメラは、把持座標を算出するために距離計測が可能なRGB-Dカメラを使用した。把持対象は、最初の動作検証として形状が単純な、色のついた消しゴムを選定した(図2)。
次に本検証で使用した技術構成やソフトウェアについて解説する。技術構成は、図3の通り。RAIを中心とし、ユーザーが入力したタスクをLLMが理解し、システムの中で定義されたツールを動的に呼び出し、カメラ画像から物体認識やロボット制御を行う。
今回のシステムでのプロンプトは
“あなたは物体を検知して操作することができるアームロボットです。定義されている機能のみを使用してください。”
などの内容を定義している。検証中に意図しない挙動を起こした場合は、システムプロンプトに制限事項やルールを追加していった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.