EV移行期を乗り切る次世代HEV、ホンダはエンジンや車台を新規開発電動化(2/3 ページ)

» 2024年12月23日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 e:HEVには、エンジンを駆動しない「EVドライブモード」、エンジンで発電する「ハイブリッドドライブモード」、エンジンの動力でタイヤを駆動する「エンジンドライブモード」がある。次世代e:HEVでは各ドライブモードでエンジンとモーターの高効率化を図る。

 エンジンドライブモードではエンジン直結時のトルク伝達効率を向上させるとともに、バッテリーアシストの活用によって高速巡航中にも高効率にエンジンドライブモードを利用できるようにする。EVモードやハイブリッドドライブモードは、電力変換とエンジンの効率向上に取り組み、2種類のエンジンでそれぞれ最高の燃焼効率を目指す。

e:HEVのドライブモード[クリックで拡大] 出所:ホンダ

S+Shiftは新型プレリュードから採用予定

 次世代e:HEVの特性を生かしながら操る喜びを提供するため、「S+Shift」という新機能も追加する。パドル操作によって変速を行い、有段ギアを変速したようなドライブフィールを実現する。

 S+Shiftは、2020年発売の「フィット」から採用している「リニアシフトコントロール」を進化させる。リニアシフトコントロールは車速とエンジンサウンドを連動させる制御。S+Shiftでは、加減速時にエンジン回転数を緻密にコントロールし、ダイレクトな駆動レスポンスと鋭い変速を実現する。また、エンジン回転数と同期した迫力のある音をスピーカーから流すことでエンジンサウンドの音質を高めるアクティブサウンドコントロールシステムも搭載し、このシステムと協調したメーター表示などによって五感を刺激するという。

 シフトホールドが作動する状態では、運転状態に合わせて最適な回転数を維持し、再加速時のエンジン発電電力を駆動力に最大限活用する。アクセルを踏んだときのモーター初期応答時間を大幅に短縮し、ドライバーの操作と直結するリニアなレスポンス性を実現するとしている。

 S+Shiftは2025年発売予定の「プレリュード」以降、次世代e:HEVの搭載車種に順次採用していく。

2025年発売予定の新型プレリュード[クリックで拡大] 出所:ホンダ
S+Shiftは新型プレリュードから採用する[クリックで拡大] 出所:ホンダ

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