シチズンマシナリーは軽井沢本社(長野県御代田町)で記者会見を開き、「第32回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2024)」に出展する新たな機種やソリューションを発表した。
シチズンマシナリーは2024年10月18日、軽井沢本社(長野県御代田町)において記者会見を開き、「第32回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2024)」(2024年11月5〜10日、東京ビッグサイト)に出展する新機種やソリューションを発表した。
JIMTOF 2024の会場では12機種を展示し、そのうち4機種が新製品となる。
Miyanoブランドの2タレット、2主軸の主軸台固定形CNC自動旋盤「Miyano BNJ51SY」は、従来モデルのベッドやスライドなど全てのユニットを刷新し、フルモデルチェンジした。販売に関しては2025年3月から順次行う。価格は1991万円(税別)となっている。
鋳物を見直したことで剛性がアップし、熱変位精度と刃具寿命が向上した。
ツールホルダーを正面主軸側の第1タレットと共通仕様にすることで、回転工具の取り付け可能数が4本から8本になり、最高回転数が2倍、最大トルクは2.5倍になった。正面主軸と背面主軸でより均等な工程分散が可能となった。
滑りスライドを採用している機種としては2機種目となるLFV(低周波振動切削)技術を搭載しており、正面主軸側第1タレットの2軸、背面主軸の2軸の同時4軸加工が実用可能となった。
その他、バー材加工に加えて、素形材の供給やワーク搬出を行う機内設置型ローダー装置や、ロボットを活用した「FA フレンドリー」との連結を容易としたシャッター装置をオプションとして準備している。
最大加工径80mmの主軸台固定形CNC自動旋盤「Miyano ABX80THY」も出展する。主軸径64mmの従来機と同じ機械サイズに、正面主軸径80mmを搭載した。
「自動車業界ではEV(電気自動車)、HEV(ハイブリッド者)向けの駆動モーターが増加している。これらのモーターシャフトの加工に60〜80mmが適してるといわれている。EVバッテリー技術の進化もあり、バッテリーの冷却部品などの角物、異径部品が確実に増えている。ABX80THYでこれらのワークを取り込み、工程集約を提案していきたい」(シチズンマシナリー 取締役執行役員 開発本部長の露崎梅夫氏)
主軸大固定型CNC自動旋盤「Miyano BNX65MSY」は米国向けに開発されたものだが米国以外からも販売要請があり、正面主軸径65mmモデルを新たにラインアップしてグローバルで販売する。1タレット2主軸というシンプルな機械構成だが、重畳制御により、1タレットで正面主軸と背面主軸の同時加工が可能となる。
Cincomブランドの主軸台移動形CNC自動旋盤「Cincom L32シリーズ」からは、新機種としてXIIB5を披露する。
また、CincomL32シリーズは4つの従来機種もフルモデルチェンジし、全5機種で2025年5月から順次販売する。価格は1231万〜1698万円(税別)となっている。
直交3軸、旋回2軸の同時5軸制御により、さまざまな斜め加工を行うB軸の回転工具による曲面加工など輪郭制御が必要な複雑形状のワークを、より自由度の高い最適なツールパス(工具経路)で加工できる。
最大装着ツール数が全機種増加し、X型は7本追加の53本となった。複数ワーク用のツールを同時に装着できるため、加工プログラムを切換えるだけで簡単に多品種生産が可能となる。
機内に設置したタッチプローブでワークを測定し、合否判定や寸法補正ができる。また、工具交換による段取り時間を従来より80%短縮する「CIToolingSystem」やチャック力調整が容易となるチャック力自動調整機能などが利用できる。
オプションのLFV技術は正面2軸、背面2軸のLFV同時4軸加工が実用可能になり、正面、背面加工の待ち合わせによるサイクルタイムのロスが短縮できる。
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