VESAは、DisplayPortをはじめとする標準規格の策定や認証などの最新状況について説明した。
VESA(Video Electronics Standards Association)は2024年10月21日、東京都内で会見を開き、DisplayPortをはじめとするVESAが手掛ける標準規格の策定や認証などの最新状況について説明した。
PCやワークステーションのビデオ周辺機器の標準規格を策定する団体として1989年に発足したVESAが、現在活動の中核としているのがDisplayPortである。2024年7月時点で約340の企業/団体が参加しており、直近の10年間で100社以上が新たに加わるなど活動は拡大している。VESA コンプライアンス・プログラム・マネージャのジム・チョート(Jim Choate)氏は「2013年の時点では欧米の企業/団体が半数以上を占めていたが、現在はアジアが68%を占めるようになっている。欧米の企業/団体が減少したわけではなく、PCやモニター関連産業の中核を成すアジアからの参加が続いたことで現在の状態になっている」と語る。
DisplayPortはPCやディスプレイの他、ゲーム機、VR(仮想現実)ヘッドセット、スマートフォン/タブレット端末、プロジェクター、デジタルサイネージなどのディスプレイを備えるさまざまな機器に採用されている。また、ノートPC内でディスプレイと本体をつなぐembedded DisplayPortはほぼデファクトスタンダードとなっており、USB-Cコネクターを用いたDisplayPort接続への対応や、次世代バス規格であるUSB4/ThunderboltがDisplayPortへの対応が必須になるなど、USB-Cを搭載する機器へのDisplayPortの採用がさらに拡大する状況にある。さらに、カーナビゲーションシステムだけでなくデジタルメーターなどディスプレイの搭載が広がる車載向けでも、安全性や信頼性、セキュリテイなどの要件を満たすDisplayPort Automotive Extension(AE)を用意することで、DisplayPortの採用が増えている。
DisplayPortの最新規格は2023年12月に発行されたバージョン2.1a(v2.1a)である。v2.1aでは、先述したUSB4/Thunderboltとの互換性の拡充やDisplayPort AEのアップデートを行ったことに加え、GPUボードとディスプレイとの接続に用いる超高ビットレート(UHBR)ケーブルの仕様に最大54GbpsのスループットをサポートしたDP54が加わった。このDP54は、廃止されるDP40を置き換えるものだ。
なおDisplayPortは、2019年6月発表のバージョン2.0(v2.0)から最大帯域幅が80Gbpsに拡張されている。これにより、8Kの解像度と60Hzのリフレッシュレート、30bpp(ビット毎ピクセル)などをサポートし、8K以上の解像度にも対応できるようになった。
チョート氏が担当する認証取得のためのコンプライアンステストについても、これら新たな標準規格に対応する内容になっている。メンバー企業が自由に参加できるプラグテストイベントは、2024年第1四半期に米国ハワイで、同年第4四半期に当たる10月には台湾で実施されている。
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