3Dプリンタで造形した再生乳房インプラントの前臨床試験を開始医療機器ニュース

StratasysとCollPlant Biotechnologiesは、バイオインク200ccを材料に3Dプリンタで造形した、再生乳房インプラントの前臨床試験を開始した。自然の乳房組織の成長を促し、時間がたつと完全に分解するインプラントの能力を試験する。

» 2024年09月10日 15時30分 公開
[MONOist]

 Stratasysは2024年8月19日(現地時間)、CollPlant Biotechnologiesと共同で、バイオインク200ccを材料に3Dプリンタで造形した、再生乳房インプラントの前臨床試験を開始したと発表した。自然の乳房組織の成長を促し、時間がたつと完全に分解するインプラントの能力を試験する。

キャプション CollPlant Biotechnologiesのバイオインク200ccを材料に3Dプリンタで造形した乳房インプラント 出所:Stratasys

 試験に用いる乳房インプラントは、CollPlant Biotechnologiesのrhコラーゲンベースのバイオインク200ccを材料に使用。Stratasysの3Dプリンタ「Origin」を用いて造形する。

 両社は2023年4月に提携を発表し、再生インプラントの造形にOriginを適応させ、商用サイズ200ccの3D造形に成功している。2024年初めには、進行中の前臨床試験で、インプラント内での新生血管や組織の再生、初期の生分解プロセスが認められた。また、有害な組織反応は認められず、安全性を確認できた。

 乳房再建と豊胸術は、世界で2番目に多い形成外科手術だ。これらの手術では、一般的に合成シリコン製の乳房インプラントが使用されるが、合併症のリスクがある。rhコラーゲンベースの再生インプラントはこうした課題の克服が期待されるもので、CollPlant Biotechnologiesでは2025年前半に研究の初期結果が出ることを期待しているという。

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