クアルコムジャパンが日本国内におけるIoT事業戦略について説明。エコシステムを構成するISVパートナーとしてPreferred RoboticsとAWLが、EDCパートナーとしてNSWとサイレックス・テクノロジーが加わり、「Qualcomm Aware Platform」のPoCを大日本印刷とマクニカが行うことを明らかにした。
クアルコムジャパンは2024年8月28日、同日東京都内で開催したプライベートイベント「Qualcomm DX Summit Japan」と併せて会見を開き、日本国内におけるIoT(モノのインターネット)事業戦略について説明した。エコシステムを構成するISV(独立系ソフトウェアベンダー)パートナーとしてPreferred RoboticsとAWLが、EDC(Embedded Design Centers)パートナーとしてNSWとサイレックス・テクノロジーが加わるとともに、サプライチェーン管理などに向けて位置情報やセンサーデータなどを一括管理できる「Qualcomm Aware Platform(以下、Awareプラットフォーム)」のPoC(概念実証)を大日本印刷とマクニカが行うことを明らかにした。
Qualcomm Technologies SVP & President of APACのO.H. Kwon氏は「クアルコムのプロセッサはモバイルだけでなくIoTでも活用できるようになっている。IoT事業を伸ばしていく上で日本市場は重要だが、そのためにはエコシステムを拡充する必要がある。今回の発表を契機に、日本におけるIoT事業のエコシステム拡大をさらに加速していく」と語る。
クアルコムはスマートフォン向けのプロセッサ「Snapdragon」が広く知られているが、そのSnapdragonの技術を車載分野に展開しており、民生機器、産業機器、エッジネットワークなどのIoT分野にも適用を広げているところだ。2024年4月にドイツで開催された「Embedded World 2024」で発表した「QCS6490」は、前世代と比べて全ての指標で2倍以上の性能を発揮する。高性能に加えて機能安全やマルチOS/ハイパーバイザーに対応するなど産業グレードも満たしており「産業機器向けでゲームチェンジャーになり得る」(クアルコムジャパン 副社長の中山泰方氏)という。
クアルコムのプロセッサ製品上でAI(人工知能)の処理を行うエッジAI関連でも開発環境を充実させている。開発者向けライブラリの「Qualcomm AI Hub」は100以上のモデルが用意されており「開発キットなどの実機にそのままデプロイして試すだけでなく、製品開発にも利用できる」(中山氏)。
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