ガラストップ構造のプログラマブル表示器一体型コントローラーと表示器:FAニュース
IDECは、プログラマブル表示器一体型コントローラー「FT1J形」と表示器「HG1J形」の販売を開始した。一体化による省スペース化に加え、ガラストップ構造の採用で高い視認性と耐久性、耐環境性を備える。
IDECは2024年8月1日、プログラマブル表示器一体型コントローラー「FT1J形」とプログラマブル表示器「HG1J形」の販売を開始した。FT1J形は6機種、HG1J形は2機種をラインアップしており、FT1J形用の入出力が拡張可能なカートリッジも7機種用意している。標準価格は、FT1J形が8万8000円(税別)、HG1J形が5万8000円(同)だ。
左から「FT1J形」と「HG1J形」 出所:IDEC
FT1J形は、PLC(プログラマブルロジックコントローラー)とプログラマブル表示器を一体化。これにより、個別に取り付けた場合と比較して、奥行きを約2分の1に短縮する。
FT1J形からコントローラー機能を取り除いたHG1J形は、装置の制御部分が変更できないアプリケーション向けに提供する。同社製PLC以外にも、各社PLCとの通信プロトコルに対応しており、FT1J形ではI/O点数が不足するアプリケーション向けに、HG1J形とPLCを組み合わせた構成での利用が可能だ。
両機種とも、ベゼル幅を狭くしたため4.3インチディスプレイを搭載しながら、従来の3.8インチモデルと同様のスペースに設置できる。また、ガラストップ構造の採用により、高い視認性と耐久性、−20〜+60℃の耐環境性を備える。
MQTT通信を搭載し、ゲートウェイなしでも直接サーバに接続してクラウドへのデータ送信が可能。EtherNet/IPなどのオープンプロトコルにも対応しているため、PLCを含む多様な機器の情報の読み出し用ゲートウェイとしても活用できる。USBポートにWi-Fiドングルや、USBスピーカーを接続し、装置の無線化や音を用いたHMI(Human Machine Interface)機能などの拡張もできる。
本格的なPID制御機能を搭載しており、温調器のPID制御により熱や流体を制御する食品機械においては、温調器の機能を取り込むことで使用機器を削減できる。さらに、IP66FおよびIP67Fの保護構造とガラストップ構造により、強い直接噴流による洗浄や消毒液、アルコールによる拭き取りが可能で、衛生維持にも貢献する。
食品機械の使用機器削減に貢献 出所:IDEC
⇒その他の「FAニュース」の記事はこちら
- ドイツが描く第4次産業革命「インダストリー4.0」とは?【前編】
「インダストリー4.0(Industrie 4.0)」という言葉をご存じだろうか? 「インダストリー4.0」は、ドイツ政府が産官学の総力を結集しモノづくりの高度化を目指す戦略的プロジェクトだ。インダストリー4.0とは何なのか。同プロジェクトに参画するドイツBeckhoff Automationグループに所属する筆者が解説する。
- “生みの親”が語るインダストリー4.0の本質とこれから
SAPジャパンは年次カンファレンス「SAP NOW」を開催し、基調講演プログラムの1つとして、ドイツの「インダストリー4.0」の提唱者でドイツ工業アカデミー評議会議長のヘニング・カガーマン氏が登壇。「インダストリー4.0とソサエティー5.0を推進するエンタープライズIT」をテーマにデジタル化がもたらす産業や経済の変化について訴えた。
- 工場の「つながる化」を可能とする「管理シェル」とは何か
ロボット革命イニシアティブ協議会(RRI)の“IoTによる製造ビジネス変革WG(WG1)”では、ドイツが進めるインダストリー4.0において、データ連携を実現する重要なカギとされている「管理シェル」について調査を行い、これを解説する調査報告書をリリースした。本稿ではこの概要を紹介する。
- スマート工場化は次段階へ、AI活用の定着とアプリケーション拡大に期待
スマート工場化の動きは着実に広がっている。その中で2022年はAIを活用した「アプリケーションの拡大」をポイントにデータ活用のさまざまな形が広がる見込みだ。
- スマート工場は“分断”が課題、カギは「データ取得」を前提としたツールの充実
工場のスマート化への取り組みは2020年も広がりを見せているが、成果を生み出せているところはまだまだ少ない状況だ。その中で、先行企業と停滞企業の“分断”が進んでいる。新型コロナウイルス感染症(COVID−19)対応なども含めて2021年もスマート工場化への取り組みは加速する見込みだが、この“分断”を解消するような動きが広がる見込みだ。
- スマートファクトリー化がなぜこれほど難しいのか、その整理の第一歩
インダストリー4.0やスマートファクトリー化が注目されてから既に5年以上が経過しています。積極的な取り組みを進める製造業がさまざまな実績を残していっているのにかかわらず、取り組みの意欲がすっかり下がってしまった企業も多く存在し2極化が進んでいるように感じています。そこであらためてスマートファクトリーについての考え方を整理し、分かりやすく紹介する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.