日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は、SDV時代のネットワークアーキテクチャを全面に押し出して、主にセントラルプロセッサ部分を中心に紹介した。
サラウンドビューやパーキングアシスタントなどの機能を実現するのが「TDA4VM-Q1」プロセッサを搭載したアプリケーション基板である。TDA4VMは、「Arm Cortex-A72」をデュアルコアで搭載する他、ディープラーニング、デプスおよびモーション、ビジョンプロセッシングおよびビデオエンコーダー/デコーダーなどの各アクセラレータを内蔵している。
「DRA821U-Q1」プロセッサを用いたゲートウェイ基板も展示した。Arm Cortex-A72コア×2と「Arm Cortex-R5F」コア×4の他、4ポートのイーサネットスイッチを内蔵したプロセッサである。
なお、同社では、帯域幅が10Mbpsの10BASE-T1L、100Mbpsの100BASE-T1、1Gbpsの1000Base-T1を含むさまざまな車載イーサネット規格対応の物理層ICもラインアップしており、トータルでのソリューション提供を訴求していく構えだ。
日本モレックスはカートリッジタイプの車載通信用コネクターを出展した。ハウジングに複数のカートリッジ(レセプタクル)を並べて、ニーズに応じて構成できるのが特徴である。ネットワークアーキテクチャや信号極数が決まっていない試作段階での活用を中心に提案する。自動車メーカーやティア1サプライヤーからは「面白いアイデア」といった評価を得ているという。
カートリッジのうち高速信号用は現在開発中であり、2024年末までの製品化を目指す。
車載イーサネット用のコネクターも各社ラインアップを拡充している。100BASE-T1対応の「MX74シリーズ」を展示したのが日本航空電子工業(JAE)である。なお、10BASE-T1Sには既存の「MX34シリーズ」で対応していく考えで、現在、伝送特性などを評価中とのことだ。
車載イーサネット用コネクターは競争が激しくなっており、同社では、品質、耐振動性、耐温度特性などを強みとして訴求していきたい考えだ。
ミネベアミツミは、アンテナで受信した電波やカメラ映像などの伝送に対応した「Mini Coaxialコネクタ」を出展した。同軸ケーブルを対象にしており、USCAR49に準拠している。ビットレートは9Gbpsと高い。既存のHSDコネクターやFAKRAコネクターに比べて、実装面積の小型化が図れる点を訴求する。一部は既に量産中だ。
また、車載イーサネットを含む差動信号に対応したコネクターの試作品も展示した。ワイヤハーネスはツイストペアで、ビットレートは10Gbpsである。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.