デンソーが次世代型AGVの開発に機械部品調達AIプラットフォーム「meviy」を活用メカ設計ニュース

ミスミグループ本社の機械部品調達AIプラットフォーム「meviy」を、デンソーが導入した。meviyを活用して、デンソーは社内向け次世代型自動搬送車の開発コストを大幅に削減し、業務を効率化している。

» 2024年05月30日 09時00分 公開
[MONOist]

 ミスミグループ本社は2024年5月13日、同社の機械部品調達AI(人工知能)プラットフォーム「meviy(メビー)」を、デンソーが社内向け次世代型自動搬送車(AGV)の開発に導入したと発表した。

 meviyは、機械部品の3Dデータをアップロードすると、AIが自動で即時に見積もりを出す。独自のデジタル製造システムにより、最短1日で出荷する。

 デンソーでは、工場や物流倉庫で部品や荷物を自動搬送し、機械や棚にセットする次世代型AGVの開発に注力している。社内向けAGVを開発するに当たり、設計段階での生産性が低いことや部品調達の煩雑さが課題だった。

デンソーの社内向けAGV デンソーの社内向けAGV[クリックで拡大] 出所:ミスミグループ本社

 特に、3D CADの設計データから2D図面を作図するのに時間がかかり、開発期間の長期化やコスト増の要因になっていた。そのため、2D図面を一切作図せずに部品を調達できるmeviyを導入した。

 これまで部品発注に必要な2D図面の作成業務に2週間ほどかかっていたが、meviyの導入でこの業務が不要になった。3Dデータだけで見積もりや部品が調達できるため、数時間で部品発注作業が完了する。生産性が向上したことで、間接コストも削減。加えて、大口数量割引や長納期低価格サービスの組み合わせにより、部品コストを約50%削減している。

 保全対応もスムーズになった。meviyが部品ごとにカタログ品と同様の型番(注文番号)を発行するため、各工場に型番を共有しておけば、同じ部品をどこからでも調達できる。さらにmeviyは、加工できない箇所があれば、加工できない理由と共にAIがアラートを表示する。そのため、設計担当者のスキルアップにもつながる。

機械部品調達のAIプラットフォーム「meviy」を導入 機械部品調達のAIプラットフォーム「meviy」を導入[クリックで拡大] 出所:ミスミグループ本社

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