私の本棚、あなたの本棚オートモーティブメルマガ 編集後記

デジタルでバーチャルな時代でも、偶然の出会いはあるのです。

» 2024年05月22日 12時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 この記事は、2024年5月22日発行の「オートモーティブ メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。


私の本棚、あなたの本棚

 Webメディアで働いていながらこんなことを言うのはアレですが、私は新聞や辞書、書籍などは紙のものが好きです。とはいえ、過去記事を探したり、特定の言葉を調べたりするときにはデジタルな媒体の方が圧倒的に便利ですし、紙のものは保管にスペースが必要なので気ままに手元に集め続けることはできません。

 紙のものが好きだと言いつつ、新聞は電子版しか購読していないし、電子辞書しか手元にありません。一人住まいで書籍ばかり増やすわけにもいかないので、最近購入する書籍は電子書籍ばかりです。それでも、紙のものが好きだと言うのは、偶然の出会いや寄り道があるからです。

 紙の新聞には、自分が興味を持っているテーマも、そうでない話題も掲載されていますね。ぼーっと眺めていると、興味がなかった話題もふと目について、それが意外と面白い内容だった……という経験は誰にでもあるのではないでしょうか。辞書も同様で、調べるつもりだった言葉にたどり着く途中で別の項目がふと視界に入って、それが頭に残ることがあります。この現象は、英語など外国語の辞書でよく起きました。

 書籍が並ぶ本屋さんも、偶然の出会いや寄り道の宝庫です。ほしい本だけを手に取って短時間で会計まで済ませることももちろんありますが、書店の本棚をウロウロと見て回ることは本当に楽しく豊かな時間です。思いもよらぬジャンルや著者に出会い、買うつもりのないものを手に取ってしまうことがあります。以前は、図書館の分類のようにジャンル分けしている本屋さんが多かったですが、最近は美術館のキュレーターのように自由なテーマで本を集めて並べるところも増えていますね。

 紙のものはデジタルほど便利ではないかもしれません。しかし、本の表紙や辞書の項目、紙面の1つ1つの記事など、膨大に並んで集まることでさまざまな出会いを提供できることに魅力があると思っています。その一方で、「オンラインショッピングは欲しいものだけを調べて、それしか買わないので視野が広がらない」というような意見があります。「これを買った人はこれも見ています」といったオススメ機能によって紙のものにあるような偶然の出会いができた経験があまりなく、紙のものだからこその強みなのかな……と思っていました。

紙を離れても偶然の出会いはある

 しかし、自分の電子書籍のライブラリーを見てみると、好きなものだけが集まっているのではなく、著者もジャンルも見事にバラバラでした。紙のものでなくても、偶然の出会いはあるのです。大きく影響しているのは、旧Twitter(現X)のような文字が主体のソーシャルメディアです。

 面白いと思ったことや考えていることについて書かれた投稿をきっかけに誰かに興味を持ってフォローし、フォローした人が書くものが日々流れてくるのがソーシャルメディアです。どこの誰かは知らないし、ソーシャルメディアに投稿する内容がその人の全てだとは思わないけれど、その人のイメージ像がなんとなくある状態です。その流れで本についての話をされると、「この人が面白いというなら」とつい電子書籍をポチポチ購入してしまうのです。

 投稿された本の話が、立派な書評や推薦文である必要は全くないと個人的に思います。その投稿者の経歴やプロフィールを詳細に知っている必要もあまり感じません。個人としてふんわり認識している誰かが本の話をする。それだけでも面白い本との偶然の出会いは十二分に発生するのです。

 例えば、MONOistを読んでいる方々は、製造業にお勤めか、製造業の情報に関心を持っているという大きな共通点があります。また、複数ページの長い記事を読むことをいとわない方もかなり多いはずです。そんな共通項のある人々から本棚を見せてもらったら、私はもちろん、多くの方にとって面白い本との偶然の出会いが生まれるんじゃないか……と考えています。

あなたの本棚を見せてください!

 そこで、本棚の写真を送ってくださる方を募集します。ご自宅や職場のデスクまわりなど、自分の本を並べている場所を写真に撮って送っていただけないでしょうか? もちろん、機密事項や人に見られたくないものが写らない範囲で構いません(職場がカメラNGの場合はそのルールに従ってくださいね)。

 画像から背表紙の文字が読み取れると大変ありがたいですが、見せたい本を平置きにしたり、電子書籍アプリのライブラリーのスクリーンショットだったりするのも歓迎です。業務や仕事上の興味関心にかかわる本が含まれていると素晴らしいですが、100%趣味のものでもOKです。

 いただいた写真は、この編集後記のような気軽に読めるコンテンツとしてまとめ、MONOistで公開する予定です。写真を公開しても構わないという方は、ぜひ「em-info@sml.itmedia.co.jp」までメールでお送りください。

 写真に添えて、下記についてもお書きください。

宛先:em-info@sml.itmedia.co.jp

件名:私の本棚

  • 公開用のお名前(仮名やイニシャルなど本名以外でOKです)
  • 年齢(30代、40代などおおまかでも構いません)
  • お仕事(業種や職種など公開して差し支えのない範囲で)
  • 写真に写っている本についてひと言(長いコメントでも、読み終わっていない積読についてでもOKです)

 皆さまの本棚をお待ちしています!

本棚写真のイメージその1。写真左下にある「自動車のメカニズム」という本は新卒のころに取材の前の予習用に買ったものです。辞書や教科書のように何度も開いて参照しました[クリックで拡大]
本棚写真のイメージその2。「トヨトミ」シリーズは某自動車メーカーをモデルにした小説で、某紙記者が書いたと噂されています。自動車業界で長く働く方なら面白く読めるはず。「右ハンドル」はロシアに輸出される日本車をテーマにした本です。上の段には海外で買った自動車雑誌が積んであります[クリックで拡大]
本棚写真のイメージその3。大好きな自動車雑誌です。赤い背表紙の分厚い本は、国立科学博物館のクラウドファンディングのリターンで届いた本です。読み応え抜群[クリックで拡大]

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