それではここからは、製造業の先進企業が取り組んでいる、スキルデータの活用事例をご紹介します。
産業機器系の製品を扱っている企業で、約200人が在籍する製造、品質保証部門を対象とした事例です。
産業機器の製造は品質要求が高く、工程ごとに高いスキルレベルが求められます。さらに、期初は部品加工などの前工程、期末は組み立てや試験といった後工程に負荷が集中し、局所的に多忙になりやすいことが特徴的です。この企業も例外ではありませんでした。
当時、以下の2つが人材面での課題として挙がっていました。
上記2つの課題を解決するために、この企業では下記2つの目的でスキルデータの活用を目指しました。
これらの目的を踏まえて、以下3点の施策を実行することにしました。
施策の結果、この企業ではスキルデータに基づいて必要な応援人数を定量的に算出して、要請が出せるようになりました。さらに、応援要請の検討にかかる工数を減らすとともに、将来の応援に備えた多能工の育成施策にもつなげられるようになったのです。
また、勘や経験といった定性的/感覚的な情報ではなく、「保有スキル」という定量的な情報を基にしてメンバーを選定できるようになったことで、熟練技術者に限らず、誰もが適切な配置判断を下せるようになりました。もちろん、配置されたメンバーも従来の方法に比べて十分に力を発揮して成果を出しやすくなりました。
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