ターゲットとなるプラットフォームは、ArmとPowerQUICC(というかPowerPC)、CevaのDSPが既に対応しているもので、後はご相談という格好だ。
ちなみに以前は、これらにFreescaleのColdFireの名前も挙がっていた。もっと言えば、以前はサポートしているプロセッサのメーカーとしてAnalog Devices/AMCC/Arm/Atmel/Freescale/Infineon/Intel/Luminary Micro/NXP/Renesas/Texas Instrumentsなどの名前が挙がっており、またVisualRTXCやRTXCgui、RTXCcanなどのソリューションもあったはずだが、どうもいろいろ消えてしまったらしい。
さてそんなRTXC Quadros、2012年くらいまではいろいろ動向が見えてきていたのだが、Webサイトのニュースページを見ても2013年更新のものが最後。X(旧Twitter)の公式アカウントも最後のポストは2014年4月22日付。おまけに、そのポストに書いてあるリンク先が既に消滅している(Internet Archiveにも存在しない)というありさまである。一応オフィスはまだあるはず(このビルの122号室)だが、どこまで活動しているのか不明である。
実はこれとは別に、「Novos」なるArmベースのSoM(System-on-Module)用のApplication Environment(あえてOS/RTOSとは称してない模様)があるのだが、このNovosの作者がやっぱりTom Barrett氏である(図4)。
このNovosがいつから出てきたのかも実はよく分からない。Webサイトそのものは2013年からあるのだが、中身が入ったのは2017年であり、しかもhttps://www.ee-novos.com/にリダイレクトされている。ただ既にee-novos.comというドメインが失効しており、中身がhttp://www.novos.us/に移った格好だ。これを見ても、そもそもNovosを誰が提供しているのかがさっぱり分からない。どうもEmbedded Environmentsという企業らしいのだが、こちらの正体も不明である。このEmbedded Environmentsにリクエストを出すと組み込み向けのe-Bookをもらえるらしいのだが、今のところ筆者が出したリクエストの返事は戻ってきていない。
どうももろもろ考え合わせると、Quadros SystemsがEmbedded Environmentsに鞍替えし、新たにNovosなるソリューションを提供し始めたというように見える。このNovos、2018年に同じテキサス州に拠点を構えるMartin Company社長のJohn Martin氏がこんな投稿をLinkedInに行っているところを見ると、2018年にはちゃんとビジネスをしていたことは確実そうに見えるのだが、現状どうなっているのかさっぱり分からない状況である。
RTXC QuadrosだけでなくNovosも割と面白そうなRTOSに見えるのだが、サンプルも入手できなければソースもバイナリもなく、問い合わせにも応答がないとなると、まぁ手の付けようがない。取りあえず、こんなRTOSもありました、ということでご紹介まで。
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