キャディは見積もり業務を効率化するクラウドアプリケーション「CADDi Quote」を発表した。図面管理プラットフォーム「CADDi Drawer」の図面データと連携して、見積もり依頼や案件情報の一元化を実現する。
キャディは2024年2月28日、見積もり業務を効率化するクラウドアプリケーション「CADDi Quote」を発表した。図面管理プラットフォーム「CADDi Drawer」の図面データと連携して、見積もり依頼や案件情報の一元化を実現する。
CADDi Quoteは過去の見積もり情報を基にして、調達予定製品の適切な購買価格の設定や、サプライヤー選定を行えるサービスだ。
キャディはCADDi DRAWERを製造業のデータプラットフォームと位置付けて、「サプライチェーンデータの資産化」を推進するアプリケーション展開を方針として打ち出している。その第1弾がCADDi Quoteで、CADDi DRAWER導入企業のみが利用できる。CADDi DRAWERはAI(人工知能)による独自の図面解析技術を活用することで、紙やPDFデータの過去の類似図面を検索/管理できる。
CADDi Quoteの利用者はまず、CADDi DRAWERで保管する図面から、見積もりをしたいものを選択する。希望単価や発注点数、納期などで見積もり条件を指定することも可能だ。すると選択した図面がCADDi Quoteに一括で取り込まれ、AIが図面ごとに条件に合う、見積もり依頼先の候補となるサプライヤーを自動ですぐに提案する。過去の図面情報を基に、類似の部品を発注した際のサプライヤーや発注金額も参考情報として表示して、適正な金額感での発注を支援する。サプライヤーへの見積もり依頼はCADDi Quote上で発行可能だ。
見積もり依頼を受け取ったサプライヤーはCADDi Quoteにログインし、Web上の画面から見積もり回答を行える。加工費や材料費などに分けて回答することも可能だ。回答結果はバイヤー側の回答比較画面上に即時自動反映されて、品目ごとに横並びで表示されるため比較しやすい。回答待ちなど見積もり依頼のステータスも確認でき、見積もり業務の効率化に寄与する。
キャディが2024年2月28日に開催した「モノづくり未来大会議 2024」において、同社 代表取締役の加藤勇志郎氏は、「製造業にとってサプライヤーのデータはある意味で極めて重要な資産になる。しかし、発注データは残っていても見積もりの情報は捨てられてきたのが現状だ。CADDi DRAWERとCADDi Quoteを合わせることで、サプライチェーンと自社データ全体の資産化を目指す」と語った。
将来的には、見積もり依頼に対するサプライヤーの対応可否の回答などを蓄積していくことで、設計者がDFM(製造容易性設計)を考慮した製品設計がしやすい環境につなげる構想もある。さらに加藤氏は、「AIを活用して図面から自動で品質やセキュリティリスクを検知したり、コスト低減の方法を提案したりする仕組み」の構想についても言及した。
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