ここからは、CES 2024に出展していたスマートホーム関連の注目すべき企業を3社紹介しよう。
1社目はサムスンだ。
サムスンは自社製家電を「SmartThings」に連携する方向性を示している。このSmartThingsとは、サムスンが提供するスマートホーム向けの統合プラットフォームであり、メーカーを問わずさまざまなIoTデバイスが連携されている。サムスンはSmartThingsを介して多様なIoTデバイスと、テレビ、冷蔵庫、洗濯機など、自社製スマート家電を連携し、1つのアプリで制御することを可能としている。
サムスンがSmartThingsを推進する目的は、おそらくヘルスケア、ペットケアなど住宅領域以外のサービスとの連携を拡大するためではないかと考えられる。SmartThingsで家電やIoTデバイスを一元管理しつつ、家中と家外をつなぐサービスを展開したいのではないだろうか。
サムスンはグループ企業が多いため、ペットケア、ヘルスケア、スマートキッチンなどのサービスを全て自前で手掛けていくだろう。同じ業態のLGや中国のハイセンス(Hi-Sense)などと比較しても、スマートホーム領域では大幅にリードしていると感じた。
2社目は、Oliver IQという米国のベンチャー企業だ。デバイスやアプリの提供から、設置、サポートまでワンストップで提供するスマートホームプラットフォーマーである。
同社が開催していたセミナーでは、スマートホームはデバイスやサービスの選定が難しくDIYも困難なため、以下の写真の右側にも示されている“Truck Roll Support(実際にトラックで駆け付けて現地でサポート)”やオンラインサポートの充実が非常に重要であることを説明していた。デバイスやアプリ、ソリューションのみを提供している企業が多い中、設置やサポートの重要性を訴求しているという点が特徴的だった。
Oliver IQの担当者は「スマートホームのセットアップは非常に複雑で、個人で全てを行うのは無理がある」と話していたが、この考え方には共感する部分がある。筆者が所属するアクセルラボでも、2023年10月に設置やアフターサポートに特化した子会社のインスタテックを設立した。スマートホームの普及には、設置やアフターサポートの充実が重要な鍵になるとわれわれも考えている。
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