最優秀賞およびScramble賞には賞金20万円、その他の時短賞、省スペース賞、コストパフォーマンス賞、芸術賞、技術の無駄遣いで賞にはそれぞれ賞金10万円が贈られる予定だ。各賞は個別の審査基準に基づいて評価されるため、1つのアイデアの複数の受賞、さらには全賞の受賞も認められている。
2023年9月12日にはオンラインで説明会を開催し、応募要項や審査基準などを説明する。既に説明会の申し込みは開始しているが、説明会の模様は後日アーカイブとして公開する。応募の締め切りは同年11月30日で、2023年末には一次審査結果を通知し、2024年1月に最終審査、結果発表を行う予定となっている。
川野氏は「XPlanarは自動車や半導体、食品、薬品などの業界で導入が進んでいるが、新しい技術のため新規性が高く、事例の公開許可がなかなか得られない。しかし、アイデアという形であれば、自由に共有することができる。それらを事例のような形で皆さんに還元していきたい」と期待する。
ベッコフ共創ラボも「ベッコフの新しい技術を実際に試してみたい」という声に応えるために設立した。大田区内の工場アパート「テクノWING大田」の一室にあり、ユーザーがベッコフ製品のデモなどを見るショールーム、ユーザーとともに開発を行う共同研究所、社員がデモ機などを製作する仕事場という3つの機能を持つ。
コンセプトは「Switch2」(スイッチ スクエアド)とし、ベッコフの技術者とユーザーやパートナーの接点となって、仕切りなどによって使用目的、開発テーマごとに空間や思考を切り替えることができる構造になっている。デモ機は移動できるよう台車が付いており、3相200V、単相100Vの電源も豊富に用意しているため、さまざまなレイアウトに対応可能だ。デザインファームのGK京都がデザインを担った。
XPlanarを活用したデモ機に加え、リニア搬送システム「XTS」やベッコフのPCコントローラーをNC装置に採用した岩間工業所のモデリングマシンなどが並ぶ。
川野氏は「ベッコフ共創ラボには、機械好きが集まるテーマパークを作りたいという思いを込めた。技術者の隠れ家を持ちたいと、大田区に懇願した。普段はデモ機を並べてショールームとして使い、ユーザーと新しいアプリケーションを開発するときは共同作業を行う。預かっているワークなどは仕切りを閉めることで見えないようにできる。日によっていろいろな使い方ができるようになっている。コミュニティーとして新しいアイデアを実践できる場にしたい」と話す。
地域の小学校、中学校と連携したロボット教室や、高等専門学校、大学の新卒者の採用なども今後行っていくという。
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