オーク製作所が「JOINT2」に参画、次世代半導体パッケージにダイレクト露光を適用FAニュース(1/2 ページ)

オーク製作所は、次世代半導体パッケージ技術の評価/検証を行うコンソーシアム「JOINT2」に参画し、開発を進めている次世代ダイレクト露光装置の性能を検証し、顧客提案力を強化する。

» 2023年06月28日 10時30分 公開
[遠藤和宏MONOist]

 レゾナックは2023年6月27日、神奈川県川崎市のパッケージングソリューションセンターで記者会見を開き、同社が中心となり設立した次世代半導体パッケージ技術開発のコンソーシアム「JOINT2」に露光装置メーカーであるオーク製作所が参画したと発表した。

次世代DI装置でi線ステッパー対応の露光装置の置き換えを狙う

オーク製作所 CEO統括室 マーケティング担当 副参事の中澤憲治氏

 オーク製作所は、東京都町田市に本社を構え、生産拠点として諏訪工場(長野県茅野市)と日の出工場(東京都日の出町)を持ち、499人の従業員が所属し、半導体用の高密度パッケージ基板製造に用いるダイレクト露光(DI)装置を主力製品として展開している。販売地域は、日本、欧州、中国の華南/華東、韓国、台湾、ベトナム、シンガポール、タイ、米国となっている。

 同社は現在、新エネルギー・産業技術総合開発(NEDO)に2022年に採択されたプロジェクト「三次元積層関連の革新的な後工程用露光装置の研究開発」のもと、後工程向けの次世代DI装置「SDi」の開発を進めている。SDiは、1.8μmのラインアンドスペース(配線の幅と隣り合う配線同士の間隔、L/S)でダイレクト露光が行えるため、2.xD(2.x次元)と呼ばれる次世代半導体パッケージ向けのインターポーザー(以下、2.xD/インターポーザー)やサイズが70mm以上の次世代大型インターポーザー向けの微細ダイレクト露光を実現するという。オーク製作所 CEO統括室 マーケティング担当 副参事の中澤憲治氏は「既に、SDiの光学系の技術は完成している」と話す。

第52回国際電子回路産業展に出展した「GDi-MPv2」と2023年12月13〜15日開催のセミコンに出展予定の「SDi」[クリックで拡大] 出所:レゾナック

 JOINT2に「微細配線を実現する露光技術」を担当する企業として参画し、同コンソーシアムが評価/検証の側面で開発を支援している2.xD/インターポーザーや次世代大型インポーザーの微細ダイレクト露光をSDiにより行うことで開発を支援するとともに、後工程における露光前後のプロセス評価を含めた知見を獲得し、SDiの信頼性を高め顧客提案力の強化を図る。加えて、インターポーザの大型化や再配線の多層化/微細化にフォトマスクレスのダイレクト露光で対応できるSDiの利点を生かし、完成後は2.xD/インターポーザーの露光で主流となっているi線ステッパー対応の露光装置の置き換え用途などを狙い販売する。

オーク製作所が「JOINT2」に参画した目的[クリックで拡大] 出所:レゾナック

 現在、オーク製作所はJOINT2で、絶縁膜上に配線溝とビアホール(上層配線と下層配線をつなぐ配線穴)を形成した後、配線金属材料を堆積して両方を同時に埋め、研磨によって溝内にのみ配線金属を残し、多層配線を形成する手法「Dual Damascene(デュアルダマシン)」の露光条件評価を行っている。

オーク製作所が行っている「Dual Damascene」の露光条件評価[クリックで拡大] 出所:レゾナック

 なお、NEDOに採択されたプロジェクトのスケジュールによれば、第1フェーズであるSDiの実験機(L/Sが2μm)開発は2024年3月までを予定しており、第2フェーズである量産試作機(L/Sが1.2μm)の開発は2025年3〜9月までを予定している。

 一方、JOINT2は、オーク製作所が参画することで、SDiをはじめとする同社のDI装置のダイレクト露光技術により、インターポーザの大型化や再配線の多層化/微細化に伴う技術課題に対応できるようになる。

 レゾナック 理事 エレクトロニクス事業本部 開発センター長の阿部秀則氏は「JOINT2は2021年に設立したコンソーシアムだが、当時は求めていた露光精度であるL/Sが2μm以下のDI装置がなかった。2022年にオーク製作所が、JOINT2が求めていた露光精度を満たすSDiの開発を決定したことを知り、双方に利点があることが分かり、オーク製作所の参画を実現した。また、インターポーザ向けの微細露光技術としてフォトマスクを使うi線ステッパーがあるが、後工程パッケージの下地は反っている場合が多く、フォトマスクから転写する際にはさまざまな調整が必要であり、フォトマスクレスのオーク製作所のDI装置のほうが有効」と話す。

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