コニカミノルタは各事業の最新の取り組みを紹介する「Konica Minolta Day」を東京都内およびオンラインで開催した。本稿では、IJコンポーネント事業に関して取り上げる。
コニカミノルタは2023年3月15日、インダストリー事業やヘルスケア事業など各事業の最新の取り組みを紹介する「Konica Minolta Day」を東京都内およびオンラインで開催した。本稿では、IJコンポーネント事業の発表に関して取り上げる。
コニカミノルタでは1995年にインクジェット(IJ)ヘッドの開発を開始し、2000年から販売を開始した。2017年にプリンタ事業は産業印刷事業に移管し、インクジェットに関してはIJコンポーネント事業として分離、独立し、インクジェットやインク、周辺機器などの開発、販売に専念している。
現在、IJコンポーネント事業は、屋外の大型看板などに使われる大判プリンタ市場向けを主として、商業印刷などのPOD(オンデマンド印刷)向け、プリント基板やディスプレイなどの製造工程上のパターン形成向けで成り立っており、プリンタ用途だけではなくモノづくりの現場で使用される装置にもインクジェットヘッドが搭載されるようになってきている。そこで、モノづくりのインクジェット化をけん引し、ユーザーのワークフローを変革することをビジョンとしている。
強みとするのはフィルムで培ったケミカルの力と、カメラで磨いてきた精密加工技術、工業分野で育んだ顧客対応力だ。
工業用途で特に求められるマテコン(マテリアルコンパティビリティ、材料適合性)耐性に関しても、コニカミノルタ IJコンポーネント事業部 副事業部長の中嶋清次氏は「工業用途に使用されるインク、ケミカルなどは強溶剤を含むことが多く、インクジェット内部の部品などは壊れてしまいがちだが、われわれは適性を持ったインクジェットを設計できる。そのためさまざまな生産現場で使われている」と話す。
コニカミノルタでは紙向けなど既存製品を中心に市場が安定している基盤領域と、包装やプリント基板など従来工法からの置き換えとして拡大が見込まれる成長領域に分類する。工業用途向けは成長領域にあたり、高いマテコン耐性やインクとの微妙なすり合わせなど技術的要求が高く、カスタム対応も多いため、コモディティ化しにくい市場と見ている。
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