シナモンは製造業向けに特化した複数のAI(人工知能)モデルを組み合わせてAI活用の効率と規模の拡大を目指す「MITA(Manufacturing Information Technical Asset)ソリューション」の提供を開始すると発表した。
シナモンは2023年2月28日、製造業向けに同社の複数のAI(人工知能)モデルを組み合わせてAI活用の効率と規模の拡大を目指す「MITA(Manufacturing Information Technical Asset)ソリューション」の提供を同日より開始すると発表した。
2016年設立のシナモンはAI製品の開発やAI活用に向けたコンサルティングを手掛けている。製品としてはこれまでに、手書きの文書でも精度90%以上の実績を持つAI-OCR(光学文字認識)「Flax Scanner」や、自社開発の音声認識エンジン「Rossa Voice」、自然言語処理エンジン「Aurora Clipper」を提供してきた。
今回はそれらを製造業向けにチューニングして活用する。AIを活用しながら情報の収集、デジタル化、構造化、そして利活用の流れをサイクルとして継続し、技術情報の価値を最大化する。シナモン Product Development Manager 兼 MITA Project Leaderの守屋圭氏は「データは一連の流れがあってはじめて価値が最大化される。これまでのような単品での提供ではなく、サイクルとしてフルセットで提供する」と語る。
技術文書向けAI-OCR「Flax Scanner for Technical Documents」は仕様書や図面、マニュアル、事故、故障報告書などを含む技術文書を読み取り、デジタル化する。「Incident AI」は事故報告書やヒヤリハット、運転指示書など多くの事故に関わるテキスト情報から関連性の高い事故やそれらの原因、対策、結果などを提案。検索や報告書作成の分析ツールとしても利用できる。Rossa Voiceも製造業向けに特化して学習させ、専門用語や社内用語を高精度に認識する。今後、製品は拡充する予定となっている。
例えば、工場やプラントの点検作業においては、音声認識を活用して作業者による点検書の手書き作業などをデジタル化し、紙で残っている過去の点検記録などをAI-OCRによってデータベースに蓄積して検索性を高められる上、AIから気付きを与える提案も可能になる。同社ではユーザーのニーズを踏まえながら、最適な組み合わせを提案する。
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