共感せずにはいられない!? 中国部品メーカーで生じる品質トラブル事例が大人気メカ設計 年間ランキング2022(2/3 ページ)

» 2022年12月22日 07時00分 公開
[八木沢篤MONOist]

デザインコラボレーションとしての「メタバース」

 年間ランキング第2位に輝いたのは、MONOist 2022年展望としてお届けした「製造業こそ『メタバース』に真剣に向き合うべき」でした。本記事では、昨年(2021年)バズワードにもなった「メタバース」が、製造業/設計業務にどのように関わってくるのかをテーマに、「エンターテインメントメタバース」「ビジネスコラボレーションメタバース」「デザインコラボレーションメタバース」「インダストリーメタバース」の4つに分類し、それぞれの特徴や可能性について紹介しています。

4つに分類できるメタバースのユースケース 4つに分類できるメタバースのユースケース[クリックで拡大]

 現状ですと、設計業務に大きく関わってくる可能性があるのが、3D CADツールによる設計業務や、3D CGツールによるデザイン作業などを、オンライン上に構築された1つの空間で、それぞれの担当者がコラボレーションしながら共同作業を行うデザインコラボレーションメタバースだといえそうです。現在、そうしうた世界観を実現してくれるソリューションとしては、NVIDIAの「Omniverse Enterprise」があります。

 Omniverse Enterpriseは、3Dデザインなど複数のツールでチーム作業を行う際、そのデータ資産やソフトウェアを共有仮想空間に統合/接続して、リアルタイムのコラボレーションとシミュレーションを可能にするオープンプラットフォームとして知られています。3Dツールベンダーの枠組みに縛られないオープンかつ横断的なコラボレーションが可能であり、離れた場所にいる関係者同士が、あらゆるデバイスから単一のデータに接続し、異なる3Dツール間でのデータ互換性とリアルタイムでの共同編集作業を実現します。Omniverseに対応する3Dツールや関連するサービスなども増えているため、今後の利用拡大が期待されます。

自分の設計した部品がどこで、どのように生産されるか?

 続く第3位は、先ほど紹介した通り、ロジ 小田さんの連載「リモート時代の中国モノづくり、品質不良をどう回避する?」の第6回「部品メーカーを訪問する重要性を“本当にあった”トラブル事例から学ぶ」でした。この記事では、確認を怠ってしまった結果、大きなトラブルに発展してしまった2つのエピソードを紹介し、“生産開始前に、自分の設計した部品がどこで、どのように生産されるかを知っておくこと”の重要性を説いています。

 また第4位には、ジェネレーティブデザインなどのデジタル設計技術をフル活用して、水上太陽光発電フロートが抱える技術課題の解消に挑戦した、Triple Bottom Lineの柳澤郷司氏とmfabricaの水野操氏へのインタビュー記事「水上太陽光発電への挑戦、常識を打ち破るフロート構造はこうして生まれた」が、第5位には、治具設計をテーマに実際の製作例を写真を交えて紹介しながら、治具設計のポイントや注意点などを解説する、Material工房・テクノフレキス 藤崎淳子さんの連載「製造現場の地味な要!? 治具設計の舞台裏」の第1回「治具って何? 何をするモノ?」がランクインしました。

薄型パッケージ固定治具 薄型パッケージ固定治具[クリックで拡大]

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