トヨタ自動車は2022年11月1日、2022年4〜9月期(2023年3月期第2四半期)決算を発表した。
トヨタ自動車は2022年11月1日、2022年4〜9月期(2023年3月期第2四半期)決算を発表した。
6カ月間の連結販売台数は前年同期比1.6%増の415.9万台、トヨタ・レクサスの販売台数は同2.3%減の474.2万台となった。日本、北米、欧州は資材高騰などの影響で前年同期から減少したものの、アジアやその他地域(中南米、オセアニア、アフリカ、中近東など)は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響から回復して販売が増加した。
2022年4〜9月期の連結決算は、営業収益(売上高)が前年同期比14.4%増の17兆7093億円、営業利益が同34.7%減の1兆1414億円、当期利益が同23.2%減の1兆1710億円の増収減益だった。
営業利益は、為替やスワップの影響を除くと前年同期比で8300億円減となった。1150億円の原価改善を実施したが、資材高騰7650億円の影響を吸収しきれなかった。労務費や減価償却費、研究開発費、経費などの増加も響いた。ユーロや米ドルの為替レートが円安で推移したことによるプラスの影響は5650億円だった。スワップ評価損やロシアでの生産終了などの費用は3410億円のマイナス要因となった。
トヨタ自動車 取締役・副社長の近健太氏は「急激な環境変化は半導体調達だけでない。為替レート、金利、エネルギーや資材の価格、労働力など将来にも大きな影響を与える変化が同時に起きている。自動車産業としても、トヨタの台数や収益としても、見通しが難しい状況である。しかし、先を見通すのが難しい状況は過去にもあった。商品力の強化だけでなく開発や生産、販売も効率化し、損益分岐台数はリーマンショック時点から30%以上引き下げるなど、長期にわたる体質強化の成果が出ている」とコメントしている。
トヨタ自動車 調達本部 本部長の熊倉和生氏は半導体の調達について「設備投資されにくい古いタイプの半導体や、車載向けの需要拡大に設備投資が追い付いていない半導体は、当面この状況が続くのではないか。ただ、半導体メーカーとのコミュニケーション、生産や物流面の支援、代替可能なものの切り替えなどの取り組みによって、調達リスクのある品目は確実に減少してきている」と述べた。
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