ソフトバンクロボティクスがRI宣言、製造から保守までトータルサポート実施サービスロボット(1/2 ページ)

ソフトバンクロボティクスは2022年10月18日、東京都内及びオンラインで記者会見を開き、新たに打ち出したロボットインテグレーター(RI)戦略および新商品となる配送ロボットについて説明した。

» 2022年10月26日 13時00分 公開
[長沢正博MONOist]

 ソフトバンクロボティクスは2022年10月18日、東京都内およびオンラインで記者会見を開き、新たに打ち出したロボットインテグレーター(RI)戦略および新商品となる配送ロボットについて説明した。

ロボットを生かしたビジネス最適化を図る

 ソフトバンクロボティクスは2014年に人型ロボット「Pepper」を発表、2018年から清掃ロボット「Whiz」の提供を開始し、2021年には配膳/運搬ロボット「Servi」を投入した。同年にはアイリスオーヤマと業務提携し、ロボットソリューションを提供するアイリスロボティクスを合弁で設立した。2022年には物流自動化事業に参入している。Pepperは累計販売台数が2万を突破し、Whizも総出荷台数が2万台超、Serviは300以上のブランドが導入するなど、業務用屋内ロボットで豊富な実績を持つに至った。

ソフトバンクロボティクスグループ 代表取締役 兼 CEOの冨澤文秀氏 ソフトバンクロボティクスグループ 代表取締役 兼 CEOの冨澤文秀氏

 今回、新たに踏み出すのは、ロボットインテグレーター事業への進出だ。ソフトバンクロボティクスグループ 代表取締役 兼 CEOの冨澤文秀氏は「これらのロボットから得られるデータを活用して、よりビジネスを最適にする提案をしていく。ロボットを創るだけではなく、どう生かすかかまでを含めてビジネスを展開していきたい」と語る。

 ロボットインテグレーター事業は3つのレイヤーから構成される。まずは開発、量産、保守のサポートだ。各業界に必要とされるロボットを発掘し、事業化可能な領域まで品質を高める。次に、それらのロボットをデータプラットフォームで統合し、最終的にコンサルティングやアウトソーシングで提供する。施設管理や飲食業、物流などの業界に対して、ロボット、センサー、人の業務を統合する。

ロボットインテグレーターの概要[クリックして拡大]出所:ソフトバンクロボティクス

自動化の普及で求めらる“RX”とは

 ソフトバンクロボティクス 常務執行役員 兼 CBOの吉田健一氏は「お客さまの声として、1つの施設で複数メーカーのロボットが動いているのでまとめて管理してほしいという声や、ロボットやセンサー、システムを統合して最適化してほしい、その時々の最適なロボットを提供してほしいという声を聞くようになった。最適なロボットとシステムを組み合わせてベストなロボットトランスフォーメーション(RX)を行うロボットインテグレーターが求められている」と語る。

 既にソフトバンクロボティクスでは2022年5月、ロボットによる清掃会社SmartBXを設立した。設立からの3カ月で30施設から受注しており、コンペの勝率は100%だという。

 地球150周分にあたる600万kmの床清掃データから最適な「デジタル床清掃仕様」を提案しており、20〜40%のコスト削減と清掃品質の向上をもたらした事例もある。人手が必要なトイレ清掃やごみ捨てなども、1日3回などの定期的な清掃に替えて、センサーを設置するなどして利用者数にのっとったオンデマンド清掃を実施しており、30%のコスト削減、60%のクレーム減少などの成果が得られている事例があるという。

 SmartBX代表取締役社長の有賀博夫氏は記者会見に寄せたビデオメッセージで「建物の管理においてロボットやセンサーの活用は効率化および作業品質の平準化につながる。これにより人は人でしかできない付加価値の高い作業に専念することができる。われわれが目指すのは人とロボットのハイブリッドだ」とコメントしている。

SmartBXが行う床清掃の最適化清掃全体の最適化 SmartBXが行う床清掃の最適化(左)と、清掃全体の最適化(右)[クリックして拡大]出所:ソフトバンクロボティクス
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