SCSKは、独自の量子AIアルゴリズムを搭載した、量子回路シミュレーターを開発した。機械学習データ400件に対する演算を5.8ミリ秒で処理し、従来に比べて約1000万倍の高速化を可能にした。
SCSKは2022年7月14日、同社独自の量子AI(人工知能)アルゴリズムを搭載した、量子回路シミュレーターを開発したと発表した。従来に比べ、約1000万倍の高速化を可能にした。
教師あり学習による機械学習モデルの1つである、量子サポートベクターマシン(SVM)モデルに特化し、衣類画像の2クラス分類において、780パラメーターまで対応することを実証した。これまでの汎用量子コンピューティングシミュレーターが100パラメーター程度の処理だったのに対し、理論上は1000パラメーターまで対応するという。
また、カーネル行列を量子アルゴリズムで生成する、量子カーネル行列生成をFPGAに実装。CPUでの実行と比較して、機械学習データ1000件に対する演算を約470倍高速処理できる。これにより、AIによる学習サイクルを高速に実行可能になる。
機械学習データ400件に対する演算処理では、従来方式は16.5時間要したのに対し、今回開発した量子回路シミュレーターは5.8ミリ秒で処理できる。クラウドで動作するため、インターネット環境があれば場所を問わず利用可能だ。
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