MONOist そうした課題に対して、SKILL NOTEはどう役立つのでしょうか。
山川氏 SKILL NOTEは製造業向けスキルマネジメントシステムだ。現場作業者のスキル情報をデジタルで一元化して、かなり詳細に可視化する。自社のスキル体系を作成して、それを教育計画/記録とひも付けて管理できる。教育が終了したら、結果が自動的にスキルマップへと反映される。有効期限切れが近づいた資格やスキルは色で視覚化し、アラートでも通知する。これによってスキルの確認、更新漏れを無くすことができる。
ISOなど品質マネジメントシステムへの規格対応や、品質管理にも活用しやすい。単なる星取表になりがちなアナログのスキルマップでこうした対応を行うのは難しい。先進的な企業ではスキルマップのデータを生産系システムと連携して、「特定のスキルを持っていない」と作業の実行可否を判定する仕組みづくりも行っている。人事部門から見ても、特定のスキル保有者をすぐに探せるので、人材配置を高度化しやすいという利点がある。
技術要求や品質要求の高い半導体や重工業、自動車、エレクトロニクス、医療機器関連の企業を中心に、ここ1〜2年でSKILL NOTE導入の相談件数が非常に増えている。以前は「導入したら便利かもしれない」といった温度感で検討する企業もいたが、最近ではむしろ自社のスキル管理の現状に危機感を持って相談に来るケースが多い。
MONOist 海外拠点を展開する企業だと、スキルマップをデジタル化する利点も大きいように思います。
山川氏 海外拠点での導入効果は極めて大きい。そもそも、国内からでは海外拠点の人材を詳細に把握しづらい、といった課題感を抱える企業が多い。国内にあるマザー工場から海外拠点の設備メンテナンスの教育などを行いたいが、ツールの使い方やメンテナンスのノウハウが全て日本に集約されているため、なかなか実施できないと悩む企業もいる。中には、教育自体を現地法人に一任している企業もある。製造品質にばらつきが生じる原因にもなりかねない。
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