世界初のマイクロプロセッサ「4004」から50年、今やトランジスタ数は100万倍に組み込み開発ニュース(1/2 ページ)

インテルは、オンラインで会見を開き、世界初のマイクロプロセッサとして知られる同社の「4004」が発表から50周年を迎えたことと併せて、最新技術となる第12世代「Core」プロセッサファミリーについて紹介した。

» 2021年11月17日 06時30分 公開
[朴尚洙MONOist]

 インテルは2021年11月16日、オンラインで会見を開き、世界初のマイクロプロセッサとして知られる同社の「4004」が発表から50周年を迎えたことと併せて、最新技術となる第12世代「Core」プロセッサファミリーについて紹介した。

インテルの土岐英秋氏 インテルの土岐英秋氏。右手(写真左側)に「4004」、左手に4004のフォトマスクパターンを持っている[クリックで拡大]

 4004は1971年11月15日に発表されたマイクロプロセッサである。米国インテルの3人のエンジニア、フェデリコ・ファジン(Federico Faggin)氏、スタン・メイザー(Stan Mazor)氏、マーシアン E.(テッド)ホフ(Marcian E. (Ted) Hoff)氏が設計を担当した。

50周年を迎えたマイクロプロセッサ「4004」 50周年を迎えたマイクロプロセッサ「4004」[クリックで拡大] 出所:インテル

 4004の開発のきっかけは、インテル創業の1年後の1969年、日本計算機販売(現在のビジコン)がエンジニアリングプロトタイプ計算機(いわゆる電卓)「ビジコン141-PF」に搭載する集積回路群の設計をインテルに打診したことだった。12個のカスタムチップを用いる当初の計画を変更し、4004のCPUを含む4個のチップ構成とした設計で要件に対応することになった。これが後に、マイクロプロセッサとしての4004の開発につながったのだ。4004が、1946年ごろに部屋を埋め尽くすほどの大きさだった電子コンピュータと同等の演算能力を、指先ほどの小さなサイズで実現したことは「まさに画期的な開発成果だった」(インテル 執行役員常務 第二技術本部 本部長の土岐英秋氏)という。

「4004」の開発のきっかけとなった日本計算機販売の電卓とその基板 「4004」の開発のきっかけとなった日本計算機販売の電卓「ビジコン141-PF」とその基板(右)[クリックで拡大] 出所:インテル

 以降インテルは、「8080」「8086」「8088」などのマイクロプロセッサを次々と開発し、IBMのPCに採用されるなど急激にビジネス規模を拡大していく。土岐氏は「現在のCEOであるパット・ゲルシンガー(Pat Gelsinger)が設計した『486』は動作周波数を一気に高めるなど大きく技術を飛躍させた製品だ。他にも『Pentium』や、Wi-Fiの導入を拡大した『Centrino』などさまざまな製品を世に出してきた。2021年は新たに『IDM2.0』という新たなビジネスモデルを打ち出しており、今後もインテルはさらなる進化を続けていく」と語る。

インテルの歩み インテルの歩み[クリックで拡大] 出所:インテル
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