TeamViewerは同社製品を産業用途だけでなく、エンタープライズ用途で活用するニーズも拡大してきた。大企業や中小企業に加えて、個人事業主や個人ユーザーの需要も開拓しているという。
実際の製品導入事例としては、シーメンス・ヘルシニアーズによるTensorの活用例がある。TensorによってMRIスキャナーに、放射線技師が世界中から安全にリモート接続できるようにするシステムを構築した。
スタイル氏はAR技術の活用によってワークフロー改善を行う「TeamViewer Frontline(以下、Frontline)」の活用事例も紹介した。トヨタ自動車のドイツ法人では、遠隔にいる自動車修理に関する専門家が、修理を担当する現地の機械工に対して自動車の修理方法などをARスマートグラスを通じて手順を伝える仕組みづくりを行った。
Frontlineはエアバス・ヘリコプターズにおけるヘリコプター搭載部品の検査業務でも活用されている。全作業の記録をペーパーレスで保管する。部品を機体に再搭載する際に必要になる検査の証跡としても使用できる。
オーストリアの大手銀行に導入した、ビデオ通話やチャットでの顧客対応を実現する「TeamViewer Engage」の他、オンライン教育ソリューション「TeamViewer Classroom」などのラインアップを有する。
TeamViewerは日本国内においても、環境シミュレーション研究所とさくらインターネット、京セラ、リコージャパンなど多数の顧客への導入事例がある。
TeamViewerの日本法人であるTeamViewerジャパン カントリー・マネージャである西尾則子氏は今後の展望について、「OT(制御技術)領域でのDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速するため、OT向けソリューションを対象とした企業とのパートナーシップ締結を進める。また、SAPやセールスフォース・ドットコム、ServiceNowとのアライアンスを強化して、互いの製品を組み合わせたソリューション提供を実現していきたい。これらに加えて、これらに加えて顧客要望を取り入れた製品開発を進める」と語った。
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