機械学習で新商品にも対応したサプライチェーン需要予測ソリューションサプライチェーン改革

PwCコンサルティングは2021年9月16日、サプライチェーンの計画業務向け需要予測ソリューション「Multidimensional Demand Forecasting」の利用開始を発表した。従来手法では困難だった新商品やリニューアル品などの需要予測を、機械学習アルゴリズムで可能にする。

» 2021年09月21日 09時00分 公開
[池谷翼MONOist]

 PwCコンサルティングは2021年9月16日、サプライチェーンの計画業務向け需要予測ソリューション「Multidimensional Demand Forecasting」の利用開始を発表した。従来手法では困難だった新商品やリニューアル品などの需要予測を、機械学習アルゴリズムで可能にする。

時系列パターンが捉えにくい商品も需要予測

 需要予測は多くの企業が取り組むテーマであるが、その対象となるのはデータが多く収集できる量産品や定番品の一部、また時系列において顕著なパターンが見られる受注、出荷、販売に対する予測が主流である。また、予測手法も移動平均などシンプルなものを用いていた。

 一方で、デジタル化に伴って消費者購買行動や需要構造が変化しつつある上、天災やパンデミックの影響などを含めて市場環境を取り巻く状況は複雑性を増している。このためPwCコンサルティングは、従来型の予測アプローチで対応可能な範囲は、ますます限定的になりつつあると指摘する。

 Multidimensional Demand Forecastingは、こうした従来型のアプローチでは対応困難な領域の需要予測を、独自開発のAI(人工知能)、機械学習アルゴリズムによって可能にするソリューションである。時系列パターンが捉えにくい新商品やリニューアル品、多品種少量化によってロングテール化した商品などにも対応する。コネクテッドデータなど新種のデータへの活用も可能だ。

既存の需要予測サービスでは対応が困難だった範囲もカバーする※出典:PwCコンサルティング[クリックして拡大]

 高負荷な学習アルゴリズムに頼らない独自開発の高速、高精度処理を実現しており、これによって予測精度を向上している。在庫過多を防止するとともに、欠品発生も抑えられる。顧客への即納率やサービス率の改善、フードロス削減などにも貢献し得る。

 導入企業の既存システムとはファイル連携をするため、需要予測担当者の既存業務オペレーションに変更を及ぼすことなく導入することも可能だという。

 サービスの利用料金はは年額でのサブスクリプション形式で、事業規模や想定予測対象範囲を基に価格や利用年数を提案、設定する。

ソリューションで対応可能な項目※出典:PwCコンサルティング[クリックして拡大]

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