新型の「MOMO v1」は、大きく分けて以下の4点が改良された。
エンジンは、5号機でノズルが破損したため、その対策として、一部の材料をSFRP(シリカ繊維強化プラスチック)へ変更した。さらに、従来(v0)はノズルがむき出しになっていたが、アルミ素材の外筒でカバーし保護するようにした。同時に、点火器の冗長化や、インジェクタの改良なども行われている。
機体の艤装では、バルブと配管をユニット化し、組み立て作業を効率化した。また機体外配管の取り外しを不要にした他、射場での高所作業を削減するなど、打ち上げ時の運用性も向上。前日や当日の作業時間の大幅な短縮を実現した。
アビオニクスは、開発中の超小型衛星用ロケット「ZERO」の技術実証も兼ねて、改良を行った。新たにSoC(System on a chip)を採用し、飛行経路制御の精度を向上。さらに機内通信の冗長性を向上させ、高信頼性化も計った。
地上支援設備も、今回刷新した。耐候性やメンテナンス性が向上したことで、設備の点検・整備作業が大幅に短縮、打ち上げ前の整備作業にかかる工数を50%以上も削減することができた。これで、高頻度の打ち上げにも対応可能になったという。
なお、v1ではエンジンの推力が従来の1.2トンから1.4トンに強化されているが、機体重量も増大しているため、ペイロード重量は30kgのままで変わらない。機体の全長や直径もほとんど変わらないため、外観からだと違いは分かりにくい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.