「加湿器の掃除は手間」を解決する、ダイニチ工業の新しい小型加湿器イノベーションのレシピ

ダイニチ工業は2021年7月28日、「カンタン取替えトレイカバー」の搭載によって従来よりも手入れを簡単に行えるハイブリッド式加湿器「RXTシリーズ」を、同年8月2日に発売すると発表した。加湿器の手入れを手間に感じやすい顧客層に訴求する。

» 2021年07月30日 14時00分 公開
[池谷翼MONOist]

 ダイニチ工業は2021年7月28日、「カンタン取替えトレイカバー」の搭載で手入れを簡単に行えるようにしたハイブリッド式加湿器「RXTシリーズ」を、同年8月2日に発売すると発表した。加湿器の手入れを手間に感じやすい顧客層に訴求する。

「手入れに手間が掛かる」と敬遠

 RXTシリーズは「HD-RXT521」「HD-RXT721」「HD-RXT921」の3機種を展開する。HD-RXT521は外形寸法が375×375×175mm、重量が約4.6kg、タンク容量が5.0l(リットル)、HD-RXT721とHD-RXT921は375×375×210mm、約5.1kg、6.3lとなっている。

HD-RXT521の製品画像※出典:ダイニチ工業[クリックして拡大]

 ダイニチ工業は2003年に国内加湿器市場に参入して以来、さまざまな工夫を取り入れた新モデルを毎年発表し続けている。同社によると新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を背景に加湿器の需要が高まり、2020年の加湿器販売実績は好調だったものの、「加湿器を使用したことがない」「使ったことはあるが今は使用していない」といった顧客も多く、現在、こうした層へのリーチに取り組んでいる最中だという。

 そこで同社が「加湿器を使用したことがない」「使ったことはあるが今は使用していない」という層を対象にその理由を尋ねたところ、「手入れに時間がかかる」という回答が多く寄せられた。このことから加湿器に加湿能力だけでなく、手入れの容易さを求める声が多いと分かったという。例えば、特に加湿用の水が入るトレイや給水タンクは隅に汚れがたまりやすく定期的に洗浄する必要があるが、こうした作業を手間に感じる顧客が多かった可能性もある。

フロート小型化のため開発に半年

 そこで、ダイニチ工業が発案したのが「カンタン取替えトレイカバー」だった。トレイ上にカバーを設置して定期的に交換する仕組みにすることで、トレイ自体を掃除する手間を減らす。カバーの交換頻度は、目安として1シーズンに1回程度。2019年に発売した同社加湿器の「LXシリーズ」に搭載して好評を博した。

取り外した状態のトレイカバー※出典:ダイニチ工業[クリックして拡大]

 一方で、LXシリーズよりもさらに小型機種への搭載を期待する声もあった。そのためLXシリーズよりも小型であり、かつ簡単取り換えトレイカバーを搭載した機種として今回のRXTシリーズを開発した。ただ、開発時には苦労もあったという。

 ダイニチ工業 加湿器製品開発責任者の入倉善也氏は「小型な加湿器にカンタン取替えトレイカバーを搭載するには、トレイ内の仕切り版と水位を検知するフロートと呼ばれる部品の一体化が必要だった。それにはフロートを従来機種のものより40%小型化する必要があったが、フロートは発泡スチロール製のため小さくすると非常に水に浮きづらくなる。水位の検知精度が低下する懸念があり、それを解決するための開発に半年をかけた」と説明する。

フロート部分を小型化※出典:ダイニチ工業[クリックして拡大]

 ダイニチ工業では今後の加湿器市場について、2020年のCOVID-19による“特需”の反動による売り上げ減少などを見込むものの、市場規模自体は2020年以前と比較して堅調な市場規模が形成されると予想する。

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