会見では、Network Connect Labで実証可能な取り組みをイメージしたデモンストレーションも披露した。「ローカル5G×ロボットアーム」と「ローカル5G×リモートプロダクション」、そして現場マルチネットワークサービスの差別化技術となっている「無線システムシミュレータ」である。
現在、工場や倉庫などのネットワークの多くが有線で接続されているが、これを大容量、高速、低遅延を特徴とするローカル5Gで無線化することによってさまざまなメリットが得られる。それらの中でも、ローカル5G×ロボットアームは、ロボットやAR(拡張現実)、VR(仮想現実)による業務遠隔支援をイメージしたデモになっている。
デモの構成は、同じNetwork Connect Lab内ではあるものの、工場側と管理棟側に分かれている。工場の現場作業はカメラで撮影されており、管理棟のディスプレイでそのカメラ映像を見られるようになっている。同様に、工場での現場作業を行うロボットアームは、管理棟にある操作インタフェースから遠隔制御できるようになっている。管理棟側の機器とつながる5Gコアと5G基地局から、工場側のカメラやロボットアームとつながる5Gゲートウェイとの間で通信を行うという流れだ。
このデモの特徴は、工場側のロボットアームでつかむ対象の硬さや柔らかさが、管理棟側の操作インタフェースで感じられるフィードバック機構を組み込んであることだ。ロボットアームの遠隔制御の遅延時間は約30msほどになる。ローカル5Gは数msの低遅延を特徴としているが、それは通信制御の遅延時間であり、ロボットアームの制御やカメラの画像処理などを含めると、現時点では約30msの遅延時間になるとのことだった。
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