NECは、PCI Express規格の「カード型ベクトルエンジン」を発売し、2021年1月より出荷を開始する。PCI Expressカード型サイズのため、従来の大型機器の他、タワーサーバやラックサーバにも搭載できる。
NECは2020年11月19日、PCI Express規格の「カード型ベクトルエンジン(VE)」を発売した。ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)向けシステムインテグレーターやサーバベンダーへの導入を見込む。価格は114万4000円(税別)から。出荷開始は2021年1月を予定し、3年間で累計100億円の販売を目指す。
1枚に8コアを内蔵し、演算性能は2.45TFlops、メモリ帯域は1.53TB/sを示す。PCI Expressカード型サイズのため、従来の大型機器のほか、タワーサーバやラックサーバにも搭載可能だ。また、高度な自動ベクトル化および自動並列化機能を備えたFortran、C、C++コンパイラも提供する。
システムインテグレーターは、VEと自社の汎用サーバ、コンパイラを組み合わせることで、科学技術計算や大規模データを高速処理するアプリケーション開発が可能になる。サーバベンダーは、自社サーバにVEを搭載して、独自ブランドのベクトル型スーパーコンピュータを製造販売できる。
VEは、NECのベクトル型スーパーコンピュータ「SX-Aurora TSUBASA」の中核コンポーネントとして、既に100以上の団体や企業に採用されている。今回、単体で販売することで、ベクトル型スーパーコンピュータの新たな市場開拓を図るとしている。
また、オープン環境でVEを利用できるように、「NECパートナー共創コミュニティ for SX-Aurora TSUBASA」を推進している。これに加え、「Vector Engineパートナー検証プログラム」「パートナー企業によるハウジングサービス」も開始した。
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